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「三味線のある生活」_トップページ>三味線の基礎、演奏の基礎 (初心者、独学向け)


三味線の基礎
※ご注意 前提:本ページ「三味線の基礎」では文献等から通説を記載しています。
つまり、通説「世間一般に広まっている説」であり、「実態」とは異なる場合があることはご了承ください。
「実態」が知りたい場合は三萃園の情報・会員向け情報・教則本をご覧ください。


1. 三味線の歴史(諸説あり)


三味線は、450年程前に琉球から大阪に伝わり、三線(さんしん)を改良した楽器といわれており、中国の三弦(サンチェン)という楽器が起源とされています。
または、
琉球から渡来した三弦を改良(蛇皮から猫皮、琵琶の撥を改造)し、
1597年秀吉の命でつくられた「淀」(今の形の三味線)ができ、石村近江が最初につくったとさています[2]。

芸術音楽(室内音楽、劇場音楽)のみならず、庶民にも受け入れられた三味線は長い歴史を経て、日本の代表的な楽器になりました。


初心者

三味線の学び方を知るには
三味線教室選び

2. ジャンル(諸説あり)


ジャンル分けは様々な諸説ありますが以下に記します。

・芸術音楽
 室内音楽:「地歌」:三曲合奏(三味線、琴、尺八)、三味線組歌

 劇場音楽
文楽の音楽である「義太夫節」、歌舞伎の音楽である「長唄」、「常磐津節」、「清元節
 唄物「長唄(1700年前半)」 語り物「義太夫(1684)、常磐津(1747)、清元(1814)」
 江戸時代まで上方(京都や大阪)を中心に普及していた「地歌(地唄)」

 唄いもの(抒情的):長唄、萩江、地唄、「小唄」、「端唄」など
 語りもの(叙事的):義太夫節、豊後節系統(常磐津、富本、清元、新内など)[3]

・民族音楽
 民謡子守唄わらべ歌など

・現代曲
 津軽三味線、ポップ三味線、バンド三味線

なお「唄」とは江戸、「歌」とは関西で使う言葉。
「歌」:実際でうたわれる歌、楽器にあわせてうたう歌   地歌
「謡」:能楽の声楽部分と合唱集団、無伴奏(中国的な用法) 民謡
「唄」:声明の曲名・分類用語、江戸系三味線曲の呼称   長唄、小唄

三味線の動画集へ

「三味線を始める前に知っておきたかった」
三味線の美意識

3. 三味線の分類


MHS法では弦鳴楽器(chordphones)に分類されることがありますが、
三味線は弦と太鼓双方で音を発します。太鼓の部分は膜鳴楽器とも言えます。
このため厳密には分類に困る楽器とされています。
「打弦楽器」と表現されることもあります。


「三味線になぜ太鼓があるのか答えられますか?」
三味線再入門


4. 三味線の種類


【棹の太さ】
三味線には大きく分けて、 『細棹』『中棹』『太棹』 という種類があります。
(定義は地域やジャンルで若干異なるのでご注意ください)
ここでは棹太さ2.5 or 2.6cm以下を「細棹」、約2.6〜2.7cmを「中棹」、3cm以上を「
太棹」と定義します。
(現在の主流の棹は前記のサイズですが、明確な定義があるわけではありません)
三味線 棹の太さ

『細棹』 は 長唄、『中棹』 は 地唄、民謡、『太棹』 は 津軽地方の民謡 (津軽三味線とも呼ばれます)、義太夫に使われます。
端唄、小唄、清元は定義によりますが細棹(一部中棹)です。ご自身の師匠等を通じてしっかりとご確認ください。
(定義によっては細棹:長唄、河東、萩江  中棹:常磐津、清元、新内、地唄、小唄、民謡  太棹:義太夫、津軽民謡[2])

地歌の柳川流では通常の細棹より更に細い棹を使用している太さ(2cm程度)。これが初期の三味線に最も近いと推測されている[4]


三味線の選び方

【棹の種類】
現代の主な材質は『花梨』『紫檀』『紅木』 があり、用途によって使い分けられています。
紅木の中には「金細」と呼ばれるグレードの高い材質があります。
過去には桜、杉、樫を三味線の材料に使っていたことがあります。
三味線 棹の種類

迷信にご注意!

【棹の長さ】
三味線には棹が通常より短い『短棹』があります。
主に1寸づめ95cm、1.5寸づめ92.5cm 2寸づめ91cmがあります(細かな定義は更にあります)。
西日本の民謡に使われることが多く、高音調弦用の演奏をする場合に使用する方もいます。
また、手の小さめの方には短棹の方が使いやすいので、奏者のニーズに合わせて利用されることもあります。
実際には奏者の体格に関わらず「短棹の方が演奏しやすい」という感想も多いのは実態です。

短棹

10年以上読まれ続けている実績が有ります。
 後悔しない三味線選び

5. 各部の名称


 

三味線の名前



 「三味線の選び方

6. 三味線の種類の見分け方


『細棹』『中棹』『太棹』 の見分け方です。
まず、胴と棹の付け根の形を見ます。

棹の付け根の部分は以下のようになっています。

これだけでもわかりますが、棹の太さでもわかります。
棹の太さは、棹の上部(乳袋の下)をはかります。


棹の定義は地域やジャンルで異なることがありますので、ご注意ください。

 見分け方

 【胴の違い】

胴には、丸打胴(まるうちどう)と綾杉胴(あやすぎどう)の2種類があります。
丸打胴は胴の内側が丸打胴は丸くなっており、通常の三味線はこちらです。
諸説ありますがが、綾杉胴は鼓の胴の鉋目を応用したものと推測されている[4]。
胴の内側がギザギザになっているいるのが綾杉胴で、音色が良くなると通説がありますが、科学的根拠は不明です。

 綾杉と丸打
 
 三味線の音色

7. 三味線の皮 (通説と実態)


現在は「犬皮」が主流ですが、一部「猫皮」が利用されています。今後は他の皮が増えるかもしれません。
また、「合成皮」が数十年前から初心者用の安価三味線に利用されています。
「合成皮」はすこし音色が動物皮に近づいていますが、音色の根本的部分は近づいていません。

(現時点の技術では)本来の音色・良い音色をお求めの方は必ず動物皮を検討しましょう。
実態としては「合成皮」の三味線を購入して大半の方が買い替えます。結局高くつくことも多いので注意してください。


「犬皮」には皮の厚さが異なり、厚い皮ほど太棹、薄い皮ほど細棹に利用される傾向があります。

一般的に皮が厚い方が大きな音が出ます。薄い皮ほど繊細な音色になります。
「猫皮」はどちらかというと後者です。それに加え、毛穴が小さいためより繊細になる傾向があります。
「犬皮」は一般的に音の抜けがよい と表現されることがありますが、当然音色は一概には言えません。

犬皮の供給が減った時に対応するために「カンガルー皮」は業界を上げて試行錯誤中ですが、
ある程度幅広い音色に対応できそうです。

犬皮がなくなるとあおる業者もいますが、現時点ではさほど心配しなくてもよさそうです。
ただ、価格が数年前より上昇してきたことは事実です。

【皮の張り方の実態】
「皮を破れる限界まで張る工法」を競うことが良い職人の証だった時代がありました(昭和時代)。
現代でもその工法を闇雲に採用し、単に皮を破れやすくしている場合もあります。
「三味線はうるさい」「弾いていて疲れる」「皮がすぐ破れてメンテナンスが大変」との声があるのが実態です。

皮の種類や張り方は無限に組み合わせられます。
最終的には、信頼できる職人のもとで、色々試奏して「自分に合った音色」を選択することをお勧めします。
実態を詳しく知りたい方は当店にお越しいただくか、当店会員情報を閲覧ください。

【合成皮と犬皮の音色の違い】↓


【犬皮と猫皮の音色の違い】 ↓
 


三味線の音色

8. さわりの機能


三味線には「さわり」という機能があります。糸を振動させて響かせる機能です。
「さわり」には「山さわり」と「東(吾妻)さわり」の2種類があります。
「山さわり」に比べて「東さわり」の方が響きが強いです。「東さわり」は俗曲や現代曲には欠かせない機能です。
山さわりの三味線は、上駒が1の糸の部分だけありません。

一方、東さわりは響き方を自分で調整できます。
後ろ側についているネジで高さを調整します。
解放の音を出しながら、ちょっとずつ高さを変えて自分が一番好きな響きのところで止めましょう。
東さわり
さわりと音色


三味線の音色

 【 三味線は国際的協力で成り立つ楽器】

三味線は、日本の伝統楽器です。
しかし、今では材料は海外からの輸入されています。

例えば、音に一番影響のある皮。これは、 東南アジアから輸入していることが多いです。
三味線の皮は、猫や犬の皮を使用しています。

細棹、中棹、太棹では、丈夫で力強い音が出る犬皮を中心に使います。
猫は上品な透き通った音が出ますが、薄くて弱いため端唄や長唄で使う「細棹」で使うことがあります。

猫は交尾前のキズのないメスのお腹の部分。犬は肩の部分の皮を使います。

猫皮の場合、皮に乳首があるのですぐ見分けることができます。
乳首の跡が4つ付いていることから四つ皮と呼ばれます。

また、材料の『木』も海外からの輸入です。
紅木は、インド。花梨や紫檀は インド や 東南アジア からの輸入しています。

紅木は1995年ワシントン条約「付属書U」に分類され、輸入が休眠状態。
また、乱獲等で、すでに優れた材はほぼ枯渇し、業者は以前からの在庫でしのいでいる[7]。

さらに、撥や駒などに使うに使うべっ甲や象牙も輸入してます。
これらは、条約で規制されているため年々価格が高騰しているようです。

9. 付属品の説明



三味線の主な付属品を説明します。 様々な付属品がありますが、ここでは演奏に必要な最低限の付属品を説明します。 様々な付属品がありますが、無駄な場合もあります。惑わされないようにしましょう。 付属品の説明

糸の選び方
糸のサイズは目安です。ご了承ください。

【糸の選び方】
一の糸は絹。二,三の糸は絹、テトロン、ナイロンを選びます。
・音色重視   :一、二、三すべて絹
・標準(1) :一、二ともに絹、三をテトロンかナイロン
・標準(2) :一を絹、二、三をテトロンかナイロン

津軽三味線のような激しい演奏方法は三の糸を絹にすると、すぐに糸は切れてしまいます。
テトロンの方が若干固く、ナイロンの方が若干やらかいです。
弾きやすさと音色で決めればよいです。

糸の変えるタイミングは、撥で弾く部分が摩れてくるか、糸の音が小さくなってきたら替えるタイミングです。
プロの方は3日に一回程度替えています。
それ以外の方は1〜3ヶ月に一回が基本です。

演奏会の前、前日には糸は替えましょう。糸は馴染むまでに若干時間がかかります。
糸のメーカは主に3社しかありません。いろいろ検討してみるのもいいかもしれません。

糸と音色はこちら「三味線の音色
(4)の糸と音色をご覧ください

音緒と糸巻き
糸巻きと音色はこちら「三味線の音色
(5)の糸巻きと音色をご覧ください


撥(ばち)は以下に詳細をまとめていますのでをご覧ください。
撥の選び方と音色へ」

駒(こま)は以下に詳細をまとめていますのでをご覧ください。
駒の選び方と音色へ」

10. メンテナンス


三味線の主な三味線のメンテナンスを説明します。
信頼できる方と付き合いをもち、良い三味線のメンテナンスをしましょう。
 三味線のメンテナンス
 

    初心者
  

三味線演奏の基礎

■ 三味線の種類別演奏ジャンル

三味線は 三味線の種類によって弾く曲が変わります。参考文献[2,4,5,8]
主要な演奏ジャンルを一行程度で説明します。本格的に興味のあるジャンルは各自調べてみてください。

長唄】  歌舞伎のために作られた三味線伴奏による歌曲が源流。日本音楽の集大成と言われるほど多様な音楽。

端唄】  江戸時代、聴くだけだった三味線をうたって楽しむために発展。源流は劇場音楽、遊離音楽、組歌、はやり歌。

うた沢】  端唄を源流とする。一中節を規範とした上品で重厚な格調高い歌い方。一時は端唄の主導的な立場を占めた。

小唄】  端唄をコンパクトにしたことが源流。四畳半趣味の爪弾き伴奏の粋な唄、気軽に誰でもうたえる唄がコンセプト

地歌(地唄)】  数種類の音楽ジャンルの総称。本来は三味線曲としてつくられているが、箏や尺八との合奏曲が多い。  三味線組歌、長歌物、端歌物、浄瑠璃物などがある。

民謡】  郷土の生活と結びつき、民衆が創作者を意識せずに、自由に口伝えで演奏してきた伝統的な歌・音楽である。

津軽三味線】  元々は民謡の一種であったが、太い糸を使った力強い低音と駒を改良して高音が出るようにして、撥を小さくしたことで、テンポの早い奏法ができることが特徴。

義太夫節】  三味線音楽の一種目名で、浄瑠璃の1つである。名称は創始者の処世竹本義太夫に因む。

清元節】  三味線音楽の一種目名で、浄瑠璃の1つである。豊後節の系統に属し、常磐津節、富本節と共に豊後三流の  1つとして教えられる。

新内節】  浄瑠璃の流派名で、18世紀に豊後節の一派の鶴賀新内が残した名称で、江戸浄瑠璃の一系統である 。

常磐津節】  浄瑠璃の種目名で、初世常磐津文字太夫が創始した。豊後節の系統に属し、清元節、富本節と共に  豊後三流の1つとして教えられる。

教室選び

■三味線のジャンルについて

  • 長唄

  • 小唄
  • 端唄

  • 民謡

  • 津軽三味線

  • 義太夫

  • 常磐津

  • 清元

■ 調弦方法

調弦は、『本調子』『二上り』『三下り』に調弦します。『本調子』に対して、2の糸が高いのが『二上り』
3の糸が低いのが『三下り』です。
例)4本の場合:本調子『ド・ファ・ド』 二上り『ド・ソ・ド』 三下り『ド・ファ・シ』

三味線は、音の高さを変えるには、ピアノのように弾く位置を変えるのではなく、弦を張ったり、ゆるめて、
弦の高さ自体を変えてしまいます。
弾く位置は変わりません。その高さを表すものが、『1本』『2本』という高さです。
1本は『A(ラ)』で半音ずつあがっていきます。1の糸を基準にして、『1本の本調子』なら
『1の糸がラの本調子』という意味になります
詳しくは、下の調弦表をご覧ください。


初心者

■ 調弦の音一覧表

音のリンクをクリックすると、調弦の音を聴くことができます (よく利用される6本まで音源があります)

本調子
二上り
三下り
調子
1の糸
2の糸
3の糸
1の糸
2の糸
3の糸
1の糸
2の糸
3の糸
1本
A
調子笛
1
6
1
1
8
1
1
6
11
ドレミ
A
D
A
A
E
A
A
D
G
2本
A#
ラ#
調子笛
2
7
2
2
9
2
2
7
12
ドレミ
A#
D#
A#
A#
F
A#
A#
D#
G#
ラ#
ド#
ラ#
ラ#
ファ
ラ#
3本
B
調子笛
3
8
3
3
10
3
3
8
1
ドレミ
B
E
B
B
F#
B
B
E
A
ファ#
4本
C
調子笛
4
9
4
4
11
4
4
9
2
ドレミ
C
F
C
C
G
C
C
F
A#
ファ
ファ
ラ#
5本
C#
ド#
調子笛
5
10
5
5
12
5
5
10
3
ドレミ
C#
F#
C#
C#
G#
C#
C#
F#
B
ド#
ファ#
ド#
ド#
ソ#
ド#
ド#
ファ#
6本
D
調子笛
6
11
6
6
1
6
6
11
4
ドレミ
D
G
D
D
A
D
D
G
C
7本
D#
レ#
調子笛
7
12
7
7本本調子
7
2
7
7本二上り
7
12
5
7本三下り
ドレミ
D#
G#
D#
D#
A#
D#
D#
G#
C#
レ#
ソ#
レ#
レ#
ラ#
レ#
レ#
ソ#
ド#
8本
E
調子笛
8
1
8
8本本調子
8
3
8
8本二上り
8
1
6
8本三下り
ドレミ
E
A
E
E
B
E
E
A
D
9本
F
ファ
調子笛
9
2
9
9本本調子
9
4
9
9本二上り
9
2
7
9本三下り
ドレミ
F
A#
F
F
C
F
F
A#
D#
ファ
ラ#
ファ
ファ
ファ
ファ
ラ#
レ#
10本
F
ファ#
調子笛
10
3
10
10本本調子
10
5
10
10本二上り
10
3
8
10本三下り
ドレミ
F#
B
F#
F#
C#
F#
F#
B
E
ファ#
ファ#
ファ#
ド#
ファ#
ファ#
11本
G
調子笛
11
4
11
11本本調子
11
6
11
11本二上り
11
4
9
11本三下り
ドレミ
G
C
G
G
D
G
G
C
F
ファ
12本
G#
ソ#
調子笛
12
5
12
12本本調子
12
7
12
12本二上り
12
5
10
12本三下り
ドレミ
G#
C#
G#
G#
D#
G#
G#
C#
F#
ソ#
ド#
ソ#
ソ#
レ#
ソ#
ソ#
ド#
ファ#

調弦の違い(4本→8本)

■ チューナーについて

三味線用のチューナーも市販されております。初心者にとって、調弦は最初に苦労するところなのでチューナーを使うのもいいかと思います。ただ、チューナーに頼りすぎてしまうと、演奏中に糸が緩んでも気付かない。チューナーがないと合わせられない。といったことになってしまいます。ある程度調弦に慣れてきたら、調子笛を使って自分の耳で調弦できるようにすることをおススメします。

チューナーの使い方です。

 

■ 楽譜について

三味線にも楽譜があります。文化譜と言います。
3本の線で書かれ、それぞれ1の糸、2の糸、3の糸を表しており、線上の数字は、ツボを表しています。
洋楽の五線譜とは違い、リズムがわかりにくいことが難点です。
最近では、文化譜と合わせて五線譜がついている楽譜も市販されています。

例)ソーラン節(6本本調子) 上段が五線譜、下段が文化譜。文化譜は下の線から、1の糸、2の糸、3の糸を表している。

 

■ 三味線の『手』と口三味線

左手の動きや、撥の動きを『手』といいます。
「 うつ」「はじく」「すくう」などの基本動作の他に、その『手』を組み合わせた奏法があります。
口三味線で表現する「チリ」「テリ」「スリ」などがあります。

動く場所 説明 表記記号 動き
打つ 撥で糸を上から叩く 特に記述しない 動画
スクイ 撥で糸をすくう 動画
ハジキ 左手 指で糸をはじく  
すりあげ 左手 低音のツボを抑えたまま高音のツボへ移動する スリ 
動画
すりさげ 左手 高音のツボを抑えたまま低音のツボへ移動する スリ 
動画
おとし撥 撥を上の糸から下の糸へ押し付けるように弾く オトシ  
うち指 左手 指でツボを押さえて音を出す。余韻で音を出す感じ ウまたは()  

口三味線とは、三味線の音を言葉で表現したものです。
トン、チン、テンなど弾く糸や押さえた音によって変わります。(※参考文献:津川信子監修「三味線をはじめよう」) 

口三味線 動く場所 説明 表記例 動き
トン(ト) 1の糸や2の糸の開放音  
テン(テ) 3の糸の開放音

 
ドン(ド) 1の糸の開放音  
ツン(ツ) 左手+撥 1の糸や2の糸のツボを押さえた音 3  
チン(チ) 左手+撥 3の糸のツボを押さえた音    
ロン(ロ) 1の糸の開放音のスクイ    
ロン(ロ) 左手+撥 2の糸のハジキ    
ルン(ル) 左手+撥 1の糸のツボを押さえたスクイ    
ルン(ル) 左手+撥 2の糸のスクイ    
レン(レ) 3の糸の開放音のスクイ   動画
レン(レ) 左手 1の糸の開放音のハジキ    
レン(レ) 左手 3の糸の開放音のハジキ    
リン(リ) 左手+撥 3の糸のツボを押さえたスクイ    
リン(リ) 左手+撥 3の糸のツボを押さえたハジキ    
チリ 左手+撥 3の糸を人差し指を押さえたまま、薬指で糸をはじく  ハ
43
動画
ツロ 左手+撥 1の糸を人差し指を押さえたまま、薬指で糸をはじく  ハ
43
動画
スリ 左手+撥 撥で糸をすくってから指ではじく スハ
33
 
テリ 左手+撥 3の糸の開放音+3の糸のツボを押さえたスクイ  ハ
03
チレ 左手+撥 3の糸のツボを押さえた音+3の糸の開放音のハジキ  ハ
30

シャン
ジャン

左手+撥 2本以上の糸を同時に引く  

()は短い音の表現

 

■ バチの持ち方(参考)

 演奏ジャンル毎に異なりますので、正式にはご自身の師匠に確認ください。
撥の持ち方 三味線
 

■ 三味線の構え方 (椅子に座って演奏する場合)

    1. 足がしっかりつく高さで、手すりのない椅子を選ぶ
    2. 両足のかかとを床にしっかりつける
    3. 背筋を伸ばす
    4. 三味線を構える(この構え方は先生によって異なります)
      1. 頭と両腕が綺麗な三角形になるように構える
      2. 棹を手前に引きすぎない(左手の動きが窮屈になります)
      3. 左手を離しても棹が下がってこないのがベスト
      4. 棹の重さは、右手人差し指の付け根で感じる
      5. 右腕はくの字に曲がるように

             

■ 指すりの付け方

指すりには一般的に「太棹用」「太棹以外」で2種類あります。
それとは別にサイズがあります。ほとんどの人は「中」サイズでOK。
太棹用は両側が太く、それ以外は片側が細くなっています。
とはいうものの、手が大きく滑りにくければ太棹用を使用したらいいですし、
太棹用だと大きくて弾きにくいという人は太棹以外のタイプを使ってみてくださ

指すり

■ お手入れ方法

棹や撥は艶ふきんで汚れや汗などを拭き取ります。 棹を拭く際は、糸を緩めて糸と棹の間を拭きます。
⇒手の脂や埃を取り除く役目があります。
また紅木の場合は、「艶ふきん」で拭くことによって艶が出やすくなります ・糸は緩めて保管しましょう
⇒棹が糸に引っ張られて変形してしまうことがあります


艶ふきんでお手入れ後、胴を和紙袋にいれて、長袋や胴袋にいれてケースに保管します。

■ 保管方法について

三味線は温度や湿度が高い場所が苦手です。次のような場所には保管しないようにしましょう
×空調機や窓の近く(温度や湿度の変化が激しいため)
×直射日光や雨があたる場所(変色や劣化の原因になります)
×長時間の車内

■ 皮の注意事項

<皮は弾かないと破れる>
三味線は長い時間弾かないと皮が破れてしまいます。
皮が毎日の温度や湿度の変化で動いているからです。
弾くことで皮に振動を与え、一方向へ集中して動くことを防ぎます。
しかし、弾かないと一箇所に集中して動いてしまうため皮が破れてしまいます。
皮のためにも、上達のためにも毎日弾くことをオススメします
<皮はもち米で接着>
もち米は熱に弱いので暑いところや体の熱や汗が伝わると溶けて、皮がずれたりはがれたりする原因になります。
特に夏場は部屋を涼しくて、高温の場所で保管したり、体の熱や汗が伝わらないようにしてください。
<皮は急激な気候の変化に弱い>
乾燥剤や桐板など、湿度を調整する道具を使うのもいいと思います。

■ 三味線が壊れやすい部分

「天神が欠けてしまった」「糸巻きを折ってしまった」「皮を破いてしまった」
これらが3大三味線故障原因です。

とくに多いのが「持ち運んでいる間にぶつけてしまった」「三味線を立てかけておいて倒れてしまった」という2点です。
特に天神は欠けやすいので持ち運びには気をつけましょう。
心配な方は、常にハードケースで持ち歩くことをオススメします。

また三味線を置くときは、天神が安定するように置いてください
そのことで、滑り落ちることを防ぎます。

<失敗事例>
三味線は衝撃に弱いです。ぶつけたり、落としたりすると、棹にひびやワレが生じることがあります。
(ヒビやワレは、場合によっては数万円という修理が必要になります。特に注意しましょう)

三味線の置き方

■ 糸の巻き方

三味線の糸の巻き方です。ポイントは1と3の糸は糸巻き穴より少し離すこと。
2の糸は 、中央に糸を設置することです。三味線 糸巻き

■ 音緒への糸の掛け方

  三味線 音緒



■ 音を小さくして練習したい場合 (忍び駒 +α)

三味線の音を小さくしたい場合は忍び駒があります。
それでも撥が皮を叩く音が気になる場合はゴムシート等を併用しましょう。


出典
1.日本音楽との出会い 東京堂出版 月溪
2.長唄読本 出版芸術社 杵勝
3.日本音楽と文楽 和泉書院 井野辺
4.日本の伝統芸能講座 音楽 淡交社 小島
5.邦楽ってどんなもの 演劇出版社 星野
6.義太夫を聴こう 河出書房新社 橋本

7 .まるごと三味線の本 青弓社 田中、野川、配川

8 .図解 日本音楽史 東京堂出版 田中


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