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三味線の撥(バチ)

撥は三味線の弦を弾くために用いられます。
初めは基本的な撥を選択し、上達してきたら様々な撥を試し弾きして 自分に合った撥を選択しましょう。
三味線の撥には無数の種類があります

動画による解説


本動画を視聴いただくことで、三味線の撥の概要を理解できます。

00:00 (1)見極め方 : どちらが天然素材?どちらが人工素材?
04:06 (2)選び方 : 試奏して選ぶ、演奏ジャンル推奨品を使う 手首の痛みに注意が必要
08:29 (3)音色の違い :プラスティックvs木材vs鼈甲(べっこう)vs象牙(ぞうげ) 音を3分割して捉えると聴き分けがしやすい
11:44 (4)メンテナンス:故障事例、傷はどれくらい治るのか
12:50 (5)カスタマイズ:持ち手部分、撥先の変更事例
13:52 (6)モノが教えてくれる:扱いやすいことが良いとは限らない、可能性を広げてくれるモノ

目次

(0)動画による解説

(1)概要

(2)プラスティック撥(バチ)

(3)木の撥(バチ)

(4)鼈甲の撥(バチ)

(5)象牙の撥(バチ)

(6)その他撥(バチ)

(7)初心者の選び方

(8)選び方

(9)まとめ

参考 撥と音色

撥の相談

概要

 

撥は材質、重さ、形状が、演奏ジャンルや好みによって変わります。以下に主な既製品4種類を示します。

 

撥の選び方

撥は重さ、形状、しなり、厚み、開き、持ち手部分の広さ、フィット感が違うが異なるので、
試し弾きしてみなとわかりません。

その他に、撥が弦と皮で発生する雑音が異なるので、その点も考慮しましょう。

三味線の撥の種類
無数の種類の撥があります。


プラスティックの撥(バチ)

プラスティック製の撥は安価で購入しやすく、

初心者によく利用されています。

 

演奏のしやすさ、音色、耐久性にはやや難があります。

 

サイズは主に「長唄」「民謡」「津軽」などジャンル毎に別れています。

さらにその中でも大きさがあります。

 

師匠の細かな規定がない限りは演奏しやすいサイズを選択するといいでしょう。

 

木の撥(バチ)


長唄系を含めた細棹の演奏ジャンルによく利用されています。

大きさに応じて10匁(もんめ)、15匁、20匁、25匁・・・とサイズがあります。

 

材質も柘植(つげ)、樫(かし)などがあり、耐久性やしなりが異なります。

 

長唄系の演奏以外の方でも、小ぶりで手にフィットしやすいという意見があるため、重宝されています。

 

音色は優しい音になりやすいです。

鼈甲の撥(バチ)


地歌(地唄)、民謡、俗謡、津軽三味線によく利用されています。

 

強いしなりにも耐えることができ、

かつ耐久性も高いことから重宝されています。

 

鼈甲の種類によって、しなりが異なり、

原則は試奏してみないと自分にあった撥は選択できません。

 

音色は雑味が大きく独特の音色を出します。

 

良い鼈甲のバチは年々入手しにくくなっています。

 

象牙の撥(バチ)


細棹、中棹系の演奏ジャンルによく利用されています。

 

様々なサイズがあります。

 

象牙の種類によって、しなり、演奏しやすさ、音色が異なり、

原則は試奏してみないと自分にあったバチは選択できません。

 

材質は硬く かつ しなるため、音色は独特な繊細な雑音を出します。

良い象牙のバチは年々入手しにくくなっています。

その他撥(バチ)

 ・義太夫の撥

 ・小唄の撥

 ・京都柳川流の撥

 ・猫耳の撥

 ・特殊プラスティックの撥・・・

三味線の撥の種類

ほんの一部の紹介。無数に種類があります


初心者の選び方

<初心者にオススメの撥のサイズ>

撥は大きいサイズの方が大きい音が出ます。

長唄・端唄など:20匁〜25匁

民謡:20匁〜25匁(もしくは、小か中)

津軽:12号〜15号程度

地唄:全て大きいサイズなので、民謡や長唄の撥から始めるのもオススメ

※小唄は爪弾きもしくは、小唄用の小さな撥になります。


選び方 

 最初はジャンルに合わせて初心者が使う撥を購入して練習しましょう。

 

 徐々に上達するにつれて撥の大切さがわかってきます。

 撥は材質、形状、重さが主に異なります。

 

ここでは自分にあった撥の選び方の参考を記載します。

 

 材質について:撥が糸を弾く時には雑音が発生します。この音色は材質により異なります。

        様々な材質の音色を比較してみましょう。

        また材質で撥が糸をはじく時にしなりが異なります。どんな「しなり」なら弾きやすいか、

        自分の表現がしやすいか検討してみてください。

 

 撥先の形状 :一般に小さい方がスピードが出せて、大きい方がスピードは低下します。

        自分がどんな演奏を求めるか検討してください。

 

 持ち手の形状 :どんな形状がじぶんには「しっくり」くるのか。ふってみた時、実際に糸を弾いたとき

         動かしやすい、ハジキやすい、スクイやすいなど実際に試してみないとわかりません。

 

 重さについて:重さが自分にはしっくりくるのか。

        撥が重いほど音量が大きくなるので、どの程度の音量を求めるかも検討ください。

 

まとめ 

三味線の種類によって、使う材質が変わってきます。

細棹の場合は、プラ撥、木撥(場合によっては鼈甲)、象牙を使います。

 

逆に、太棹の場合は通常、木撥、象牙は使いません。
(使うと撥が折れる場合があります) プラ撥でも、先が硬くて強いものを使用します。

 

中棹の場合は、木撥以外を使用します。

 

では、何によって弾き分けるのか。

1つは、弾きやすさです。


 鼈甲の場合は、しなりがよく、耐久性も優れているので、力強い演奏をしたい場合は鼈甲がベストです。
 その中でも、重い撥はより力強くなりますし、軽いものは柔らかい音色になります。
 (鼈甲にも硬いもの、柔らかいものがあってそれによっても音色が変わります)

 

音を柔らかくしたい時は、軽い撥を使います。
プラスチックや木撥、象牙はその代表です。特に象牙撥は撥先が薄く硬いので、より繊細な音がでます。

 

水牛撥は、持ち手の部分が水牛で、撥先は鼈甲です。
そのため、音色としては鼈甲と大きく差がありません。同じく持ち手部分が紅木材のものもあります。

 

撥1つでも、音色が変わるので、中には撥だけでも何本も持っている人がいます。

もし2種類以上持っていたら、曲によって弾き分けてみてください。

 

ぜひ自分にあった良い撥を見つけてください。

 

参考:撥と音色の評価動画


(1)撥の大きさと音色の違い

  大きさの違いでは3→1→2→4です(4が一番大きい)。

撥

 



(2)「撥の材質と音色」

 象牙→プラスティック→鼈甲→木の違いです。



(3)「撥の材質と音色 津軽三味線」

 鼈甲調→鼈甲A(撥先大きめ)→→プラスティック(樹脂)→アイボラ(樹脂)→プラスティック(樹脂)→鼈甲B(撥先小さめ)



(4)「小唄撥と通常の撥」




参考:駒の評価動画


撥の相談

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