問いの集約
ロウソクの火で確認する発声──声の方向と骨盤の関係
声を出しているのに、なぜか響きが薄い。
多くの人は声量や喉の問題として捉えがちですが、実際の現場では
声の方向と身体の使い方が影響していることが少なくありません。
本動画では、ロウソクの火が揺れるかどうかという視覚的な指標を用い、
声を前へ押し出す発声と、後方へ広がる響きの違いを実演で解説します。
和の発声法における声の扱いは、喉の操作ではなく、 重心・骨盤・足腰の土台によって結果として現れる響きという視点に立っています。
この回で共有した問い
- ・声の強さではなく「方向」を観察すると何が見えてくるのか。
- ・なぜ前へ押し出すほど、響きが不安定になる場合があるのか。
- ・日本人の身体にとって自然な響きの方向とは何か。
- ・骨盤の角度は、声の通り道にどう影響するのか。
- ・母音の変化は、口の形ではなく身体配置で変わるのではないか。
- ・喉の操作と全身協調の違いはどこに現れるのか。
内容概要
本回では、ロウソクの火を視覚指標として用い、発声時の息と響きの方向を確認する。 声量ではなく流れを観察することで、前へ押し出す発声と後方へ広がる発声の違いを明確化する。 現代的な「前へ飛ばす声」に対し、日本人の身体感覚として自然に成立しやすい 「後ろ側へ響きが形成される声」を対比的に示す。 さらに、骨盤角度と重心制御が声の安定性に与える影響を実演で検証し、 母音形成が喉や口先ではなく身体全体の状態と連動することを説明する。 結論として、発声は局所操作ではなく全身協調の結果として理解される。
- ロウソクの火は発声方向を観察するための指標になる
- 前に押し出す発声と後方へ広がる響きの差
- 骨盤角度と重心が声の通り道を左右する
- 母音は身体配置と密接に連動する
- 発声は喉ではなく全身協調の問題である
まとめ
声を出すとは、音を作る行為ではなく、身体状態が空間へ現れる出来事でもある。 響きの方向は意図で操作されるより、身体秩序の結果として生じる。 力で押し出すほど不自然が増幅し、整った身体ほど無理なく広がる。 発声とは獲得ではなく整合であり、喉の技術ではなく身体全体の関係性の問題である。
内容の記録
0.導入:ロウソクの火による発声確認
・声の強さではなく方向を観察する
・火の揺れは息と響きの状態を示す
1.注意:火気を扱う稽古の危険性
・安全が担保できない環境では行わない
・目的は訓練ではなく理解にある
2.声を飛ばす方向の違い
・前へ押し出す発声の特徴
・後方へ広がる発声の特徴
3.身体感覚としての響き
・喉ではなく身体配置で変化する
4.骨盤と重心
・骨盤角度が響きの安定に影響する
・重心制御が声の土台になる
5.母音と身体の連動
・母音は口先の形だけでは決まらない
6.結び:発声は全身協調の結果
・喉操作ではなく身体秩序として理解する
初公開(動画公開):2022-08-13 / 最終更新:2026-02-24