音と三味線
三味線の演奏は、身体の動きや無意識の働きと同じように、
「音」のあり方とも切り離すことができません。
一つひとつの音には、楽器の構造や材質だけでなく、
演奏者の聴き方、美意識、その人が歩んできた時間が反映されています。
「良い音」とは何か。
三味線という楽器が、なぜこの形で存在しているのか。
ある楽器が「自分に合う」とは、どういうことなのか。
そして、どのような音や感性を、次の世代に引き継いでいくべきなのか。
ここでは、三味線の音と楽器そのものを手がかりに、
音・楽器・美意識という観点から、三味線の本質に近づいていきます。
第1節 良い音とは何か。
「良い音」とは、単に大きく鳴る音や、よく通る音のことではありません。
同じ音でも、聴く人や場、演奏の文脈によって、その価値は大きく変わります。さらに、「良い音」は演奏者だけでなく、聴く側の経験・環境・身体感覚とも連動しており、音は常に関係性の中で立ち上がる現象として現れます。
- 三味線における「良い音」とは、どのような条件を満たしている音なのか。
- 音の快・不快は、物理的な要素と、美意識や文化によって、どのように形づくられているのか。
- 自分にとっての「良い音」を見極めていくために、どのような聴き方や訓練が必要なのか。
- 伝統的な音色観と、現代の演奏環境(舞台・録音・配信)の間で、三味線の音はどのように変化しうるのか。その変化は「劣化」なのか、それとも「更新」なのか。
第2節 三味線の必然性とは、何なのか。
なぜ、三味線はこの形をしているのか。他の楽器ではなく、三味線でなければならない理由は何なのか。
そこには、歴史的な背景や構造上の必然だけでなく、日本人の美意識や音に対する感覚が深く関わっています。
- 棹・胴・皮・弦という構造は、どのような音の世界を実現するために選び取られてきたのか。
- 三味線でしか表現できない響きや間合いは、他の楽器と何が違うのか。
- 現代において、あえて三味線を選ぶことの意味や必然性は、どこに見いだされるのか。
第3節 自分に合うとはどういうことか。
三味線を選ぶとき、「自分に合う楽器を探したい」という言葉がよく使われます。
しかし、「合う」とは単に持ちやすさや弾きやすさだけを指すわけではありません。「合う/合わない」は固定的な判断ではなく、演奏者の成長や表現のテーマとともに変化していく関係として捉え直すことができます。
- 「自分に合う三味線」とは、身体的な相性・音色・将来の伸びしろの、どのようなバランスによって決まるのか。
- 楽器に合わせて自分が変化していく側面と、自分に合わせて楽器を選ぶ側面は、どのように共存しうるのか。
- 楽器との出会いを、一時的な好みではなく、長い時間軸の中でどう位置づけていくのか。
関連動画(章の中心テーマ)
作成中 — 記録と考察を整理しながら、順次公開していきます。2026年には完成見込みです。
第4節 引き継がれるべき美意識とは、何なのか。
三味線の音には、その時代ごとの価値観や美意識が刻まれています。
「好み」は時代とともに移り変わっていきますが、それでも変えてはならない核の部分があります。
- 三味線の音において、時代とともに変化してよい部分と、引き継ぐべき核となる美意識はどこにあるのか。
- 雑味や余韻、間合いといった要素は、日本の美意識の中でどのような意味を持っているのか。
- 現代の環境(録音・配信・デジタル技術)の中で、三味線の美意識をどのように守り、更新していけるのか。
- どの価値観を手放し、どの美意識を未来へ託すのか。その判断を可能にするための基準とは何か。