感受性は人により異なります。
感受性が強く、鋭い人ほど、雑に出された音に敏感です。
雑にただ大きい音や派手な音を出す楽器には耳だけではなく、
全身を塞ぎたくなってしまいます。
彼女は今まで接した中でも最も感受性が鋭い人の一人です。
そんな彼女は友人の三味線選びに付き添いで遊びに来てくれた時に、
ある三味線と出会ってしまいました。
出会った時、彼女が全身で共鳴している姿と喜んでいる表情を忘れられません。
その三味線は製作後50年以上経過しているヴィンテージ品です。
前に演奏していた奏者が長年をかけ丹念に繊細な仕上げに成熟させました。
太棹三味線には珍しい繊細な音色を奏でます。
彼女は様々なことが一瞬の体験でわかってしまいました。
彼女は、今、繊細な演奏を教えてくれる教室に入り直し、
自分の感受性を活かすことができる演奏の道を楽しみ始めました。
「この三味線の音色」