当店の基本方針(要点)
最初に、当店が優先している基準をまとめます。
- 天然素材と手仕事を基本に、一丁ごとの個性を活かします。
- 「派手さ」より、余韻・遠音・倍音など、伝統的な音色の質を重視します。
- 過度な効率化より、持続可能性と長期の価値を優先します。
※本文では、それぞれの基準を具体的に説明します。
三萃園が大切にしている「材料」「手仕事」「音色」「安心」「持続可能性」を、判断基準として明文化しています。
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最初に、当店が優先している基準をまとめます。
※本文では、それぞれの基準を具体的に説明します。
必要な箇所からお読みください。
天然素材を活かし、手仕事で一丁ずつ仕上げます。
三味線田中・三萃園の三味線は、できる限り「伝統的な天然の材料」を利用し、「手作業」で製作しています。
製作は店主田中が、三味線一丁一丁の個性を大切にしながら仕上げます。
同時に材料の「持続可能性」も大切にしています。
このため、経済効率の追求は優先順位を落としています。
関連:持続可能性について
「無理な安さ」「派手さ」「効率化」を上位に置かない理由を明記します。
当店は、外国の安い労働力と機械で製作された大量生産の三味線は原則として扱いません。
お求めやすさは、別の手段で実現しています。
当店は、無駄な装飾、無駄な加工などを施すことで、無駄に高く販売することはありません。
大切にしているのは、音色、機能、木材本来の美しさ、耐久性、個性です。
人工素材、機械を利用した効率の安易な追求はしません。それによる「みんな同じ音色」に心を痛めています。
当店では一丁一丁の三味線の個性を生かすために、伝統的な天然素材、手作業で三味線を製作しています。
当店は、三味線・音色・稽古などの本質的な価値のご提供を重視しています。
一丁一丁の個性を大切にし、奏者それぞれの個性に合う三味線をご提案します(試奏推奨)。
三味線一丁一丁の個性を大切にして仕上げます。
奏者それぞれの個性にあった三味線を提供させていただきます(試奏をおすすめしています)。
音色の考え方にご興味がある方は資料請求をご利用ください。
資料請求
三味線を安心してご購入いただくために、以下に取り組んでおります。
三味線は構成がシンプルな楽器ですが、長い歴史があり、正しい情報を得にくいため、選ぶには多数の労力が必要です。
原則、三味線をご購入の際には相談を活用されることをおすすめします。
三味線田中・三萃園は一丁一丁の三味線を大切にご提供します。
ご提供の三味線の一部は「音源」をお届けできます。
また様々な三味線の音色を知りたい場合は、 三萃園youtubeチャンネル、 アルバム、 リスト をご覧ください。
ご提供する三味線すべて、音声・動画撮影時に「奏者が試奏しチェック」を実施します。
奏者の許可が得られた三味線のみ販売させていただきます。
三萃園がご提供する一丁一丁の三味線は、独自の「音色の科学的なチェック」も実施します。
当店の基準を満たす三味線のみを販売させていただきます。興味がある方は当店のYouTubeから「三味線を科学する」シリーズをご覧ください。
三味線は購入後6ヶ月間、無料メンテナンスを受けられます。
メンテナンスの内容は自然故障に限ります(お客様過失の故障は含まれません)。
環境と文化の両面で、長期的に継続できる選択を重視しています。
三味線田中・三萃園では持続可能性の2点も重視しています。
いくら経済効率がよくても環境負荷の高い(安く販売するために環境破壊の原因となる)三味線は販売しません。
国内に眠っている未使用の三味線材の発掘や良質な中古品の流通、三味線のシェア(Share)を推進します。
三味線田中・三萃園では独自の三味線とサービスを開発することで、三味線販売を継続し、三味線の伝統継承と進化に貢献します。
「伝統的な音色」と「持続可能性」を重視し、皮張りは音色と耐久性のバランスを基準にします。
三味線は400年の伝統があります。その伝統の中で培われてきた音色があります。 その中でも重要な工程が皮張りです。
このため当店では、国内に眠る資源を有効活用しながら、 「伝統的な音色」と「皮がなるべく破れない」ことのバランスを重視しています。
そして、三味線一丁一丁の個性が生かされるよう最善を尽くしております。
当店が優先順位を落としていること
付属品も長期的に継続できる供給と品質を重視します。
近年、付属品も安価競争が進み、製造元の廃業が進んでいます。 このままでは、付属品や部品によっては製造する担い手がいなくなる可能性があります。
このため三萃園では、製造元や販売店を苦しめる無理な低価格販売は控えさせていただいています。
製作だけでなく、幅広いメンテナンスに対応します(別途ご相談ください)。
皮張りはもちろん、中子の外れ、天神の外れ、上駒の外れ、三味線本体のカケ、胴割れ、かんべり、 撥の磨き、撥のカケ、糸巻きの調整、糸巻きの追加、糸巻きの金具外れ等、 すべての三味線のメンテナンスに対応させていただきます。別途ご相談ください。
三萃園の方針は、一般的な量産型三味線の基準とは異なるため、 ときに誤解を受けることがあります。代表的な点を整理します。
三萃園は、業界の慣習や価格・流通の枠組みに依存せず、 自らの判断で運営してきました。 それは「組織として無難な選択」をするためではなく、 演奏者にとって何が本当に良いのか、 音楽や伝統芸能にとって何が健全なのかを 自分たちの責任で考え続けるためです。
その結果、効率や慣習よりも、 音色・身体感覚・芸の修養を優先する方針が 少しずつ形になってきました。 それは一時的な流行ではなく、 20年以上にわたる試行錯誤と現場経験の蓄積によって 自然に定まってきたものです。
三萃園では、楽器を単なる「商品」ではなく、 人が音を通して生き方や表現と向き合うための 大切な伴走者だと考えています。 その考え方が、 一般的な三味線店とは異なる方針につながっています。
当店では、伝統芸能の「西洋音楽化」「スポーツ化」「エンタメ化」によって強調されがちな 瞬間的な音量や派手さよりも、 余韻・遠音・倍音の重なりといった 音の奥行きと広がりを重視しています。
津軽三味線を含む日本の伝統音楽では、 音は「強く出すもの」ではなく、 空間に浸透し、時間の中で立ち上がるものとして 捉えられてきました。 一音が消えていくまでの余白や、 次の音へとつながる気配こそが、 音楽としての深みを生みます。
そのため、派手なアタック音や分かりやすい音圧に慣れていると、 当店の三味線の一部は 「複雑」「地味」「簡単に響かない」 と感じられることがあります。
しかしそれは品質の問題ではなく、 どのような音色を価値とするかという 美意識と音楽観の違いです。
三萃園では、日本古来の音楽観に基づき、 奏者の身体と空間が響き合う 「生きている音色」を大切にしています。
三萃園では、三味線を「工業製品」ではなく 「ひとつひとつ性格を持つ楽器」として扱っています。 そのため、音色は一丁一丁異なることを前提に調整しています。
奏者の身体、感覚、音の好みは人によって大きく異なります。 当店では、その奏者の個性に応答する楽器を育てることを重視しており、 すべての三味線を同じ音色にそろえることを目的にしていません。
昭和の大量生産・集団稽古の時代には、 「同じ流派は同じ音色」という価値観が強くありました。 しかしそれは、教育と流通の都合によって作られた側面も大きく、 伝統芸能本来の姿とは異なります。
三萃園では、木・皮・棹・胴がそれぞれ持つ個体差を活かしながら、 楽器が本来持っている響きが自然に立ち上がるよう調整しています。 すべてを同じ音に揃えることは、 その楽器の生命や潜在力を封じ込めてしまうことだと考えています。
音色の違いは、調整不足ではなく、 個性を尊重した結果としての違いです。
工場で大量生産ができるという面では安定していると思います。 ただし、商業的な安定性と音楽性、芸術性は同じものではありません。
人工素材や人工皮は、特に製造初期の数値的には「安定」した音を出しやすい一方で、 音の立ち上がりや倍音の変化が乏しく、 音が平面的になりやすい傾向があります。 その結果、耳に「幕がかかったように鈍く」感じられたり、 逆に不自然に硬くきつい音になることも少なくありません。 (感じ方には個人差がありますが、一部では耳に強い負担がかかる場合もあります。)
三萃園が重視しているのは、 日本古来の音楽観に根ざした 「揺らぎ」「心地よさ」「響きの深さ」です。 これは、弦・皮・胴が生き物のように相互に影響し合い、 時間とともに音が変化していくことで初めて生まれます。 この性質は、天然素材ならではのものです。
また、演奏者の芸の修養という観点でも、 音に対して繊細に応答する楽器に触れることは、 身体感覚や表現力を育てるうえで大きな意味を持ちます。 三萃園では、長期的な上達と音楽文化の継承を重視し、 日本古来の三味線のあり方を大切にしています。
なお、天然素材の持続可能性については、 国内に眠る資源の活用や独自の調達・運用方針によって、 当面は社会的に適合した形で運営できる体制を整えています。
ただし、演奏用途から外れた展示・練習用・特殊環境での使用など、 天然素材の特性が不向きなケースでは、 例外的に人工素材を推奨することもあります。 目的に応じて、最適な選択をご案内しています。
適切に乾燥・保管された良質な木材は、 時間とともに内部の水分バランスや繊維構造が安定し、 音響的にはむしろ熟成していきます。 これは弦楽器全般に共通する性質です。
三萃園では、 古い材料や古い楽器を「劣化したもの」とは見なしていません。 それらは長い時間を経て育った 音色の資産である場合が多いからです。
実際に当店では、 100年以上前の三味線がいまも現役で使われていますし、 50年ほど前の三味線は、 現代の量産品と比べても 耐久性や響きの点で遜色がない、 むしろ良い例も少なくありません。
もちろん、すべての中古材が良いわけではなく、 保存状態や加工の質によって大きく差が出ます。 三萃園では、木の状態、響き、構造を確認したうえで、 使用に耐えるものだけを選別しています。
「新しい=良い」「古い=悪い」という考え方は、 工業製品には当てはまっても、 音を育てる楽器の世界には必ずしも当てはまりません。
三萃園の三味線は、工場で量産された製品を仕入れて販売しているものではありません。 材料の選定から、組み上げ、皮張り、調整、最終チェックまで、 店主が一丁一丁の状態を見ながら責任をもって仕上げています。 そのため、工程の密度と関わる時間が大きく異なります。
当店の価格は、 こうした材料と手仕事、調整の積み重ねを前提にしたものであり、 無理なコスト削減によって品質を落とすことを避けた結果です。 「できるだけ安く作る」ことよりも、 「長く愛用できる音と楽器をつくる」ことを優先しています。
また三萃園では、 楽器は単体で完結する商品ではなく、 思想・稽古・創造・分かち合いと結びついて 初めて意味を持つものだと考えています。 そうした全体の体験と質を大切にしながら 良いものを提供しようとすると、 一定の手間と費用がかかるのは避けられません。
価格は、その姿勢と工程の反映であり、 単に高く売るためのものではありません。
音色は周波数や音圧などの数値だけで完結するものではなく、 奏者の身体、演奏の仕方、空間の響きとの相互作用の中で 初めて成立する現象です。 そのため、数値化できる部分と、 数値化しきれない部分の両方が存在します。
三萃園では、 倍音構成、音の立ち上がり、減衰の仕方など 客観的に確認できる要素を参考にしつつ、 実際に弾いたときの身体感覚や空間への広がりといった 主観的な要素も重視して判断しています。 この両者を併用することで、 音色の質をより立体的に捉えています。
また当店では「三味線を科学する」という YouTubeシリーズを通して、 感覚の世界にある音色を できる限り再現性のある形で分析・検証しています。 主観だけに頼らず、 科学的な視点からも音色に迫る姿勢を大切にしています。
音色は「測れないから曖昧」なのではなく、 多層的な現象であるため、 単一の数値では表しきれないものだと考えています。
三味線は、弾く人の身体の使い方、感覚の繊細さ、音への向き合い方と 強く結びつく楽器です。 同じ三味線であっても、 奏者が変われば音の立ち上がりや響き方は大きく変わります。
そのため三萃園では、 すべての人に同じ評価を得ることを目標にしていません。 楽器と奏者の相性が合ったときにこそ、 本来の音色と表現が立ち上がると考えています。
当店と特に相性が良いのは、表面上の興奮よりも身体に染み込むような心地よさを優先する方、日本古来の美意識や間(ま)の感覚を大切にし、 音楽性や芸術性を重視する方、 そして競い合うよりも音を分かち合う姿勢を持つ方です。 そうした価値観のもとでこそ、 三萃園の三味線の個性が生きてきます。
評価が分かれるのは欠点ではなく、 楽器と人が一対一で響き合う文化の自然な結果だと考えています。
三味線の音色は、スペック表や価格表だけでは判断できません。 奏者の身体、感覚、空間との関係の中で初めて 「合うかどうか」が分かるものです。 そのため当店では、可能な限り試奏を重視しています。
合わない楽器を無理に販売すれば、 短期的には効率が良いかもしれませんが、 演奏者の挫折や楽器の不幸につながります。 三萃園では、そうしたやり方はおすすめしていません。
当店が大切にしているのは、 目先の販売数ではなく、 音色と演奏文化が長く育っていくことです。 試奏を勧めるのは、 その人にとって本当に必要な一本と出会ってほしいからであり、 商業的な都合ではありません。
購入前/修理前の不安は、事前に整理してご案内します。