目次
- 1. 三味線の歴史
- 2. 三味線ジャンル
- 3. 三味線の分類
- 4. 三味線の種類
- 参考. 三味線選びのポイント
- 5. 各部の名称
- 6. 三味線の種類の見分け方
- 7. 三味線の皮
- 8. サワリの機能
- 9. 付属品の説明
- 10. メンテナンス
- 11. 演奏の基礎
- 12. 出典
演奏の基礎情報(概要)
演奏ジャンル、調弦、楽譜、口三味線、撥の持ち方(弾き方)、指すりの付け方、お手入れ、保管、糸巻き、音緒、消音
※ご注意:本ページ「三味線の基礎」では文献等から通説を記載しています。つまり通説(世間一般に広まっている説)であり、実態とは異なる場合があることはご了承ください。
演奏の基礎情報(概要)
演奏ジャンル、調弦、楽譜、口三味線、撥の持ち方(弾き方)、指すりの付け方、お手入れ、保管、糸巻き、音緒、消音
三味線は、約450年前に琉球から大阪に伝わり、三線(さんしん)を改良した楽器といわれています。起源は中国の三弦(サンチェン)という楽器とされる説があります。
また、琉球から渡来した三弦を改良(蛇皮から猫皮、琵琶の撥を改造)し、1597年に秀吉の命でつくられた「淀」(今の形の三味線)ができ、石村近江が最初につくったとする説もあります[2]。
芸術音楽(室内音楽、劇場音楽)のみならず庶民にも受け入れられた三味線は、長い歴史を経て日本の代表的な楽器になりました。
源流となるジャンルは「浄瑠璃」「地歌」であり、江戸時代には「長唄」「義太夫節」「清元節」「常磐津節」「荻江節」「一中節」「新内節」「河東節」「都々逸」「端唄」など、多数のジャンルが発生しました。
ジャンル分けは諸説ありますが、参考として以下に記します。
芸術音楽
民族音楽
現代曲
なお「唄」とは江戸、「歌」とは関西で使う言葉、という説明がされることがあります。
「歌」:実際でうたわれる歌/地歌 「謡」:能楽の声楽部分・無伴奏(中国的用法) 「唄」:声明の分類語、江戸系三味線曲の呼称(長唄・小唄など)
MHS法では弦鳴楽器(chordophones)に分類されることがありますが、三味線は「3本の弦」と「太鼓」双方で音を発します。
太鼓の部分は「膜鳴楽器」とも言えます。
このため、厳密には分類に困る楽器とされることがあります。
「打弦楽器」と表現されることもあります。
三味線には大きく分けて『細棹』『中棹』『太棹』という種類があります(定義は地域やジャンルで若干異なるため注意)。
ここでは棹太さ2.5〜2.6cm以下を「細棹」、約2.6〜2.7cmを「中棹」、3cm以上を「太棹」と定義します。
『細棹』は長唄、『中棹』は地唄・民謡、『太棹』は津軽地方の民謡(津軽三味線)・義太夫に使われます。
端唄・小唄・清元は定義によりますが細棹(一部中棹)です。師匠等を通じてご確認ください。
地歌の柳川流では通常の細棹よりさらに細い棹(2cm程度)を使用することがあり、初期の三味線に近いと推測される説があります[4]。
現代の主な材質は『花梨』『紫檀』『紅木』があり用途によって使い分けられます。紅木の中には「金細」と呼ばれる高グレードがあります。過去には桜・杉・樫が材料に使われた例もあります。
三味線には棹が通常より短い『短棹』があります。主に1寸づめ(95cm)、1.5寸づめ(92.5cm)、2寸づめ(91cm)などがあります。
西日本の民謡に使われることが多く、高音調弦用に用いる人もいます。手の小さめの方には短棹が扱いやすい場合があり、奏者のニーズに合わせて選ばれます。
見分け方の一例です。まず胴と棹の付け根の形を見ます。棹の太さでも判断できます(乳袋の下あたりを計測)。 定義は地域やジャンルで異なる場合がありますのでご注意ください。
胴には丸打胴(まるうちどう)と綾杉胴(あやすぎどう)の2種類があります。丸打胴は内側が丸く、通常の三味線はこちらです。
綾杉胴は鼓の胴の鉋目を応用したものと推測される説があります[4]。音色が良くなるという通説がありますが、科学的根拠は不明とされます。
現在、利用されている皮は99%以上が伝統的な「天然皮」か「代替天然皮」です。
数十年前から「人工皮・合成皮」が学校教材用に利用されていましたが、普及には至っていません。
皮は種類・厚み・貼り方によって音色や耐久性が大きく異なります。正しい知識を習得した上で、自分に合った選択をしてください。
三味線には「サワリ」という機能があります。「サワリ」はサンスクリット語の「ジャワリ(心に触れる)」が語源という説があります。
三味線独自の雑味を作る機能であり、三味線らしい音色を作る根幹の一つです。
「サワリ」には「山サワリ」と「東(吾妻)サワリ」の2種類があります。
山サワリは制作時に微調整を行い、東サワリはネジで効き具合を微調整できます(開放の音を出しながら、少しずつ高さを変えて好みの響きで止めます)。
動画ではサワリが効いていない音から、効いている音へ変化します。
三味線は日本の伝統楽器ですが、現在、材料の一部は海外からの輸入に頼っていました。
現在は三味線人口の大幅減少もあり、輸入も縮小されています。
例えば木材は海外からの輸入でした。紅木はインド、花梨や紫檀はインドや東南アジアから輸入されていました。
紅木は1995年ワシントン条約「付属書Ⅱ」に分類され、輸入が休眠状態。乱獲等で優れた材はほぼ枯渇し、業者は在庫でしのいでいるとされます[7]。
代替材料での製作の取り組みは以前から行われていますが、質の課題が克服できず普及しなかった例もあります(合成皮三味線、紅木代替材、べっ甲調プラスティック撥 等)。
このため、三味線も他の楽器と同様、古き良きものを大切に修繕しながら後世に託していく時代に入った、という見方があります。
三味線の主な付属品を説明します。ここでは演奏に必要な最低限の付属品を中心に扱います。
付属品は種類が多く、無駄な場合もあります。惑わされないようにしましょう。
一の糸は絹。二・三の糸は絹/テトロン/ナイロンを選びます。
・音色重視:一〜三すべて絹
・標準(1):一・二を絹、三をテトロン or ナイロン
・標準(2):一を絹、二・三をテトロン or ナイロン
津軽三味線のような激しい奏法では、三の糸を絹にすると切れやすい傾向があります。
テトロンはやや硬め、ナイロンはやや柔らかめとされます。弾きやすさと音色で選びます。
交換の目安は、撥で弾く部分が摩耗してくる/音が小さくなってきたとき。
プロは3日に一回程度替える場合があり、それ以外の方は1〜3ヶ月が一つの目安です。
演奏会の前日までには交換し、糸を馴染ませる時間を確保しましょう。
よくある質問「緩まない糸巻き」:糸巻きを適切に調整し、正しい奏法・扱いを習えば、糸巻きは緩みにくくなります。
三味線奏者の多くは伝統的な糸巻きを使用しています。
撥は最も大切な道具の一つです。合わない撥は手首を痛める原因になり得ます。演奏ジャンルや流派の規定がある場合、初心者はまずそれに従うのがお勧めです。
駒は音色に影響する重要な道具です。最初はジャンル/流派の規定に従い、その後は曲や狙う音色に合わせて選びましょう。
三味線の主なメンテナンスを簡単に説明します。信頼できる方と付き合いをもち、良いメンテナンスをしましょう。
「棹」「皮」「糸巻き」「中子」が主なメンテナンス箇所です。
切れる/音が響かなくなる等で交換。使用頻度により毎日交換する人もいれば、2〜3ヶ月交換しない人もいます。
撥先が削れてきたらメンテナンスが必要です。鼈甲は放置で虫食いが起き得るため、防虫対策を推奨します。
割れ/溝の深まり等で基本的には交換です。
三味線は 三味線の種類によって弾く曲が変わります。参考文献[2,4,5,8]
主要な演奏ジャンルを一行程度で説明します。本格的に興味のあるジャンルは各自調べてみてください。
【長唄】 歌舞伎のために作られた三味線伴奏による歌曲が源流。日本音楽の集大成と言われるほど多様な音楽。
【端唄】 江戸時代、聴くだけだった三味線をうたって楽しむために発展。源流は劇場音楽、遊離音楽、組歌、はやり歌。
【うた沢】 端唄を源流とする。一中節を規範とした上品で重厚な格調高い歌い方。一時は端唄の主導的な立場を占めた。
【小唄】 端唄をコンパクトにしたことが源流。四畳半趣味の爪弾き伴奏の粋な唄、気軽に誰でもうたえる唄がコンセプト
【地歌(地唄)】 数種類の音楽ジャンルの総称。本来は三味線曲としてつくられているが、箏や尺八との合奏曲が多い。 三味線組歌、長歌物、端歌物、浄瑠璃物などがある。
【民謡】 郷土の生活と結びつき、民衆が創作者を意識せずに、自由に口伝えで演奏してきた伝統的な歌・音楽である。
【津軽三味線】 元々は民謡の一種であったが、太い糸を使った力強い低音と駒を改良して高音が出るようにして、撥を小さくしたことで、テンポの早い奏法ができることが特徴。
【義太夫節】 三味線音楽の一種目名で、浄瑠璃の1つである。名称は創始者の処世竹本義太夫に因む。
【清元節】 三味線音楽の一種目名で、浄瑠璃の1つである。豊後節の系統に属し、常磐津節、富本節と共に豊後三流の 1つとして教えられる。
【新内節】 浄瑠璃の流派名で、18世紀に豊後節の一派の鶴賀新内が残した名称で、江戸浄瑠璃の一系統である 。
【常磐津節】 浄瑠璃の種目名で、初世常磐津文字太夫が創始した。豊後節の系統に属し、清元節、富本節と共に 豊後三流の1つとして教えられる。
調弦は、『本調子』『二上り』『三下り』に調弦します。『本調子』に対して、2の糸が高いのが『二上り』
3の糸が低いのが『三下り』です。
例)4本の場合:本調子『ド・ファ・ド』 二上り『ド・ソ・ド』 三下り『ド・ファ・シ』
三味線は、音の高さを変えるには、ピアノのように弾く位置を変えるのではなく、弦を張ったり、ゆるめて、
弦の高さ自体を変えてしまいます。
弾く位置は変わりません。その高さを表すものが、『1本』『2本』という高さです。
1本は『A(ラ)』で半音ずつあがっていきます。1の糸を基準にして、『1本の本調子』なら
『1の糸がラの本調子』という意味になります。
詳しくは、下の調弦表をご覧ください。
音のリンクをクリックすると、調弦の音を聴くことができます (よく利用される6本まで音源があります)
本調子 |
二上り |
三下り |
|||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
調子 |
1の糸 |
2の糸 |
3の糸 |
音 |
1の糸 |
2の糸 |
3の糸 |
音 |
1の糸 |
2の糸 |
3の糸 |
音 |
|||
1本 |
A |
ラ |
調子笛 |
1 |
6 |
1 |
1 |
8 |
1 |
1 |
6 |
11 |
|||
ドレミ |
A |
D |
A |
A |
E |
A |
A |
D |
G |
||||||
ラ |
レ |
ラ |
ラ |
ミ |
ラ |
ラ |
レ |
ソ |
|||||||
2本 |
A# |
ラ# |
調子笛 |
2 |
7 |
2 |
2 |
9 |
2 |
2 |
7 |
12 |
|||
ドレミ |
A# |
D# |
A# |
A# |
F |
A# |
A# |
D# |
G# |
||||||
ラ# |
レ# |
ラ# |
ラ# |
ファ |
ラ# |
ラ# |
レ# |
ソ# |
|||||||
3本 |
B |
シ |
調子笛 |
3 |
8 |
3 |
3 |
10 |
3 |
3 |
8 |
1 |
|||
ドレミ |
B |
E |
B |
B |
F# |
B |
B |
E |
A |
||||||
シ |
ミ |
シ |
シ |
ファ# |
シ |
シ |
ミ |
ラ |
|||||||
4本 |
C |
ド |
調子笛 |
4 |
9 |
4 |
4 |
11 |
4 |
4 |
9 |
2 |
|||
ドレミ |
C |
F |
C |
C |
G |
C |
C |
F |
A# |
||||||
ド |
ファ |
ド |
ド |
ソ |
ド |
ド |
ファ |
ラ# |
|||||||
5本 |
C# |
ド# |
調子笛 |
5 |
10 |
5 |
5 |
12 |
5 |
5 |
10 |
3 |
|||
ドレミ |
C# |
F# |
C# |
C# |
G# |
C# |
C# |
F# |
B |
||||||
ド# |
ファ# |
ド# |
ド# |
ソ# |
ド# |
ド# |
ファ# |
シ |
|||||||
6本 |
D |
レ |
調子笛 |
6 |
11 |
6 |
6 |
1 |
6 |
6 |
11 |
4 |
|||
ドレミ |
D |
G |
D |
D |
A |
D |
D |
G |
C |
||||||
レ |
ソ |
レ |
レ |
ラ |
レ |
レ |
ソ |
ド |
|||||||
7本 |
D# |
レ# |
調子笛 |
7 |
12 |
7 |
7本本調子 |
7 |
2 |
7 |
7本二上り |
7 |
12 |
5 |
7本三下り |
ドレミ |
D# |
G# |
D# |
D# |
A# |
D# |
D# |
G# |
C# |
||||||
レ# |
ソ# |
レ# |
レ# |
ラ# |
レ# |
レ# |
ソ# |
ド# |
|||||||
8本 |
E |
ミ |
調子笛 |
8 |
1 |
8 |
8本本調子 |
8 |
3 |
8 |
8本二上り |
8 |
1 |
6 |
8本三下り |
ドレミ |
E |
A |
E |
E |
B |
E |
E |
A |
D |
||||||
ミ |
ラ |
ミ |
ミ |
シ |
ミ |
ミ |
ラ |
レ |
|||||||
9本 |
F |
ファ |
調子笛 |
9 |
2 |
9 |
9本本調子 |
9 |
4 |
9 |
9本二上り |
9 |
2 |
7 |
9本三下り |
ドレミ |
F |
A# |
F |
F |
C |
F |
F |
A# |
D# |
||||||
ファ |
ラ# |
ファ |
ファ |
ド |
ファ |
ファ |
ラ# |
レ# |
|||||||
10本 |
F |
ファ# |
調子笛 |
10 |
3 |
10 |
10本本調子 |
10 |
5 |
10 |
10本二上り |
10 |
3 |
8 |
10本三下り |
ドレミ |
F# |
B |
F# |
F# |
C# |
F# |
F# |
B |
E |
||||||
ファ# |
シ |
ファ# |
ファ# |
ド# |
ファ# |
ファ# |
シ |
ミ |
|||||||
11本 |
G |
ソ |
調子笛 |
11 |
4 |
11 |
11本本調子 |
11 |
6 |
11 |
11本二上り |
11 |
4 |
9 |
11本三下り |
ドレミ |
G |
C |
G |
G |
D |
G |
G |
C |
F |
||||||
ソ |
ド |
ソ |
ソ |
レ |
ソ |
ソ |
ド |
ファ |
|||||||
12本 |
G# |
ソ# |
調子笛 |
12 |
5 |
12 |
12本本調子 |
12 |
7 |
12 |
12本二上り |
12 |
5 |
10 |
12本三下り |
ドレミ |
G# |
C# |
G# |
G# |
D# |
G# |
G# |
C# |
F# |
||||||
ソ# |
ド# |
ソ# |
ソ# |
レ# |
ソ# |
ソ# |
ド# |
ファ# |
|||||||
三味線用のチューナーも市販されております。
初心者にとって、調弦は最初に苦労するところなのでチューナーを使うのもいいかと思います。
ただ、チューナーに頼りすぎてしまうと、演奏中に糸が緩んでも気付かない。チューナーがないと合わせられない、といったことになってしまいます。
ある程度調弦に慣れてきたら、調子笛を使って自分の耳で調弦できるようにすることをおススメします。
チューナーの使い方です。
三味線にも楽譜がありますが、流派や演奏ジャンル毎に異なる場合があります。
現代では代表的なものに「文化譜」があります。
特定流派の特定の先生だけから学ぶ方は先生に教わる「特定流派専用用の楽譜」を利用ください(それ以外の応用はできません)。
一方、幅広く三味線を楽しみたい方は幅広く普及している「文化譜」を覚えてください。
文化譜は3本の線で書かれ、それぞれ1の糸、2の糸、3の糸を表しており、線上の数字は、ツボを表しています。
洋楽の五線譜とは違い、リズムがわかりにくいことが難点です。
最近では、文化譜と合わせて五線譜がついている楽譜も市販されています。
例)ソーラン節(6本本調子) 上段が五線譜、下段が文化譜。文化譜は下の線から、1の糸、2の糸、3の糸を表しています。

左手の動きや、撥の動きを『手』といいます。
「 うつ」「はじく」「すくう」などの基本動作の他に、その『手』を組み合わせた奏法があります。
口三味線で表現する「チリ」「テリ」「スリ」などがあります。
| 手 | 動く場所 | 説明 | 表記記号 | 動き |
|---|---|---|---|---|
| 打つ | 撥 | 撥で糸を上から叩く | 特に記述しない | |
| スクイ | 撥 | 撥で糸をすくう | ス | |
| ハジキ | 左手 | 指で糸をはじく | ハ | |
| すりあげ | 左手 | 低音のツボを抑えたまま高音のツボへ移動する | スリ ⌒ |
|
| すりさげ | 左手 | 高音のツボを抑えたまま低音のツボへ移動する | スリ ⌒ |
|
| おとし撥 | 撥 | 撥を上の糸から下の糸へ押し付けるように弾く | オトシ | |
| うち指 | 左手 | 指でツボを押さえて音を出す。余韻で音を出す感じ | ウまたは() |
口三味線とは、三味線の音を言葉で表現したものです。
トン、チン、テンなど弾く糸や押さえた音によって変わります。(※参考文献:津川信子監修「三味線をはじめよう」)
| 口三味線 | 動く場所 | 説明 | 表記例 | 動き |
|---|---|---|---|---|
| トン(ト) | 撥 | 1の糸や2の糸の開放音 | 0 | |
| テン(テ) | 撥 | 3の糸の開放音 | 0 |
|
| ドン(ド) | 撥 | 1の糸の開放音 | 0 | |
| ツン(ツ) | 左手+撥 | 1の糸や2の糸のツボを押さえた音 | 3 | |
| チン(チ) | 左手+撥 | 3の糸のツボを押さえた音 | ||
| ロン(ロ) | 撥 | 1の糸の開放音のスクイ | ||
| ロン(ロ) | 左手+撥 | 2の糸のハジキ | ||
| ルン(ル) | 左手+撥 | 1の糸のツボを押さえたスクイ | ||
| ルン(ル) | 左手+撥 | 2の糸のスクイ | ||
| レン(レ) | 撥 | 3の糸の開放音のスクイ | ||
| レン(レ) | 左手 | 1の糸の開放音のハジキ | ||
| レン(レ) | 左手 | 3の糸の開放音のハジキ | ||
| リン(リ) | 左手+撥 | 3の糸のツボを押さえたスクイ | ||
| リン(リ) | 左手+撥 | 3の糸のツボを押さえたハジキ | ||
| チリ | 左手+撥 | 3の糸を人差し指を押さえたまま、薬指で糸をはじく | ハ 43 |
|
| ツロ | 左手+撥 | 1の糸を人差し指を押さえたまま、薬指で糸をはじく | ハ 43 |
|
| スリ | 左手+撥 | 撥で糸をすくってから指ではじく | スハ 33 |
|
| テリ | 左手+撥 | 3の糸の開放音+3の糸のツボを押さえたスクイ | ハ 03 |
|
| チレ | 左手+撥 | 3の糸のツボを押さえた音+3の糸の開放音のハジキ | ハ 30 |
|
シャン |
左手+撥 | 2本以上の糸を同時に引く |
()は短い音の表現
演奏ジャンル毎に異なりますので、正式にはご自身の師匠に確認ください。
一点ご注意事項があります。
正しい日本古来の動作を身につけないと「手首を痛める」ということです。
ぜひ、正しい方法でじっくりと撥の持ち方を習得ください。

指すりには一般的に「太棹用」「太棹以外」で2種類あります。
それとは別にサイズがあります。ほとんどの人は「中」サイズです。
太棹用は両側が太く、それ以外は片側が細くなっています。
とはいうものの、手が大きく滑りにくければ太棹用を使用したらいいですし、
太棹用だと大きくて弾きにくいという人は太棹以外のタイプを使ってみてください。

棹や撥は艶ふきんで汚れや汗などを拭き取ります。 棹を拭く際は、糸を緩めて糸と棹の間を拭きます。
⇒手の脂や埃を取り除く役目があります。
また紅木の場合は、「艶ふきん」で拭くことによって艶が出やすくなります。
・糸は軽く緩めて保管しましょう。
艶ふきんでお手入れ後、胴を和紙袋にいれて、長袋や胴袋にいれてケースに保管する方が多いです。
三味線は温度や湿度が高い場所が苦手です。次のような場所には保管しないようにしましょう。
×空調機や窓の近く(温度や湿度の変化が激しいため)
×直射日光や雨があたる場所(変色や劣化の原因になります)
×長時間の車内
<皮は弾かないと破れる>
三味線は長い時間弾かないと皮が破れてしまいます。
皮が毎日の温度や湿度の変化で動いているからです。
弾くことで皮に振動を与え、一方向へ集中して動くことを防ぎます。
しかし、弾かないと一箇所に集中して動いてしまうため皮が破れてしまいます。
皮のためにも、上達のためにも毎日弾くことをオススメします。
<皮はもち米で接着>
もち米は熱に弱いので暑いところや体の熱や汗が伝わると溶けて、皮がずれたりはがれたりする原因になります。
特に夏場は部屋を涼しくて、高温の場所で保管したり、体の熱や汗が伝わらないようにしてください。
<皮は急激な気候の変化に弱い>
乾燥剤や桐板など、湿度を調整する道具を使うのもいいと思います。
「天神が欠けてしまった」「糸巻きを折ってしまった」「皮を破いてしまった」
これらが3大三味線故障原因です。
とくに多いのが「持ち運んでいる間にぶつけてしまった」「三味線を立てかけておいて倒れてしまった」という2点です。
特に天神は欠けやすいので持ち運びには気をつけましょう。
心配な方は、常にハードケースで持ち歩くことをオススメします。
また三味線を置くときは、天神が安定するように置いてください
そのことで、滑り落ちることを防ぎます。
<失敗事例>
三味線は衝撃に弱いです。ぶつけたり、落としたりすると、棹にひびやワレが生じることがあります。
(ヒビやワレは、場合によっては数万円という修理が必要になります。特に注意しましょう)

三味線の糸の巻き方です。ポイントは1と3の糸は糸巻き穴より少し離すこと。

三味線の音を小さくしたい場合は忍び駒があります。
それでも撥が皮を叩く音が気になる場合はゴムシート等を併用しましょう。
三味線は400年の歴史があるため、習得は容易ではありません。
ネットだけでお伝えするには限界があります。
日本の古典は、学べば学ぶほど、その奥の深さに心震える体験ができます。
三味線は容易に学べないからこそ、学ぶ価値があるのです。