ある時、珍しい依頼がありました
お父様が演奏していた三味線を家の中で発見したとのこと。
お父様は数年前に亡くなっていました。
このため、10年以上メンテナンスされておらず、三味線は演奏できる状態ではありませんでした。
一ヶ月ほどかけて相談したところ、
手放すのではなく、修繕して三味線普及する活動に利用してほしいとのことでした。
当初、高級車が買えるくらいの値段だったと思われる良い三味線でしたので、
修繕はより慎重に行いました。
修繕が終わる頃、依頼者宅の仏壇の前でこの三味線を演奏させていただくことにしました。
そして納入の日、私は奏者とともに、依頼者宅を訪問させていただき、お父様の思い出の曲を演奏させていただきました。
現在は若手の奏者に時々貸し出され、再び活躍してます。
「この三味線の音色」