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三味線のメンテナンス・維持修繕・修理 概要

三味線のメンテナンスや修理修繕する姿

目次

動画:三味線のメンテナンスの概要


全体像をまとめていますので参考にしてください。

00:00 三味線のメンテナンス/修理 概要編
00:14 (1)故障とメンテナンス部位 (2)自分で直せるのか (3)日常の手入れ保管
00:22 故障とメンテナンス部位 「外れ」について
00:30 中木・中子・中後(なかご)
01:39 福林(ふくりん)
02:05 乳袋(ちぶくろ)(海老尾と棹,天神と上棹)
02:23 上駒(うわこま、かみこま)
02:32 故障とメンテナンス部位 「消耗」について
02:35 皮 天然皮と合成皮のメンテナンス目安
03:14 棹のかんべり・勘減り
04:09 糸巻き
04:22 弦・糸
04:31 撥皮
04:47 音緒(ねお)
05:12 故障とメンテナンス部位 「割れ」「折れ」について
05:17 木材の折れ・割れ 棹と天神
06:14 胴割れ
06:49 天神と糸巻き
07:09 撥(バチ)の折れ、割れ 虫食い
08:04 駒(こま)
08:45 故障とメンテナンス部位  その他「汚れ」「シール類」について 張りゴムとツボシール
09:58 (2)自分で直せるのか
10:14 三味線の棹が1mmずれるとどうなるのか 音色比較
11:53 (3)日常の手入れ保管
12:14 三味線をよく使用する
12:33 使用後は駒を外し糸巻きを少し緩めクロスで棹を拭く
12:57 ケースで保管
13:14 ビニール袋には保管しない
13:26 大きな故障を防ぐ
13:40 質の良い三味線は分解しやすく設計されている

1.三味線のメンテナンスの概要

三味線のメンテナンスの概要は以下に説明します。

主なメンテナンス箇所は主に棹(かんべり、ヒビ、割れ)、皮、糸巻き、糸、撥、駒です。
それ以外にも福林(ふくりん)、中子(中木、なかご)などの定期メンテナンス部位もあります。

 三味線メンテナンスのポイント

2.三味線の本体・糸巻きのメンテナンス(糸巻き、棹、中子、上駒、糸巻きの金具)

三味線の棹の消耗「勘減り(かんべり)」

三味線本体のメンテナンスに必要なのは、主に「糸巻き」「棹」「接合部の外れ」です。

・「糸巻き」

糸巻きの材質にもよりますが、使用して数年で糸巻きでの調弦がゆるくなる場合があります。
この場合、糸巻きの調整が必要です。
また、糸巻きをぶつけて折ってしまう場合があります。この場合は交換が必要です。


・「棹」

良い材で正しく糸を抑えることができれば、三味線の棹が消耗することはほとんどあまりありません。
しかし、爪で棹を削る、柔らかい棹を使用している場合、棹が削れる場合があります。この場合修繕が必要です。
また、棹をぶつけたり、落としたりして折ってしまう場合があります。この場合は修理で大抵直りますが、ひどい場合は交換が必要です。


三味線の棹の故障「糸巻きの金具 福林(ふくりん)のハズレ」

・「接合部の外れ」

「中子」「上駒」「糸巻きの金具」「上の棹と乳袋部分」は数年使用していると外れることがあります
簡単なメンテナンスで修理できます。

動画:よくある7つの故障事例


00:00 目次
00:07 糸巻きの折れ
00:48 天神・海老尾の割れ
01:54 棹、頭部の割れ
03:28 三味線の置き方(参考)
03:55 木材の修繕に関して(参考)
04:43 皮と胴
05:50 撥(バチ)
06:54 駒(コマ)
08:10 自分で直して失敗(糸巻き、上駒、乳袋と上棹の接着、木材の割れ、中子の接着)
09:20 故障が新たな発見やきっかけになることもある

3.三味線の皮のメンテナンス


三味線の皮は定期的にメンテナンスが必要です。
皮の種類、張り方、演奏ジャンル、使用方法によりますが2~5年で変える方と破れるまで変えない方のふた通りが主流です。


・「皮が破れた時」

三味線の皮は劣化すると破れます。破れた場合は交換するしかありません。


三味線の皮の故障「皮の破れ」

・「皮がずれた時」

水分や劣化が原因で皮が胴からずれることがあります。
この場合裏の皮であれば応急処置で延命できることもあります。
表の皮は音が大きく変化してしまうので、交換することが必要です。


・「音色に変化があった時」

主にに劣化が原因で「音が下がる」「響かなくなった」と感じるタイミングがあります。この場合交換が必要です。


・「合成皮の壊れ方」

合成皮三味線がメンテナンスフリーだと勘違いしている人もいらっしゃいますが天然皮と同様故障したらメンテナンスが必要です。

三味線の皮の故障「合成皮の壊れ方」
参考:合成皮三味線の壊れ方

4.糸(弦)のメンテナンス

三味線の糸(弦)交換の目安 ケバケバしてくる

弦の素材の主流は「絹」で、2の弦と3の弦には人工素材の「テトロン」「ナイロン」が併用されています。


三味線の糸も定期的な交換が必要です。
演奏ジャンル、演奏方法、使用する糸により異なります。3の糸(絹)だと毎日交換する人もいますし、1の糸は2,3ヶ月使用する人もいます。

最初は師匠に相談しながら、徐々に自分にあった交換タイミングを見つけ出しましょう。


・「切れる」

劣化が進むと切れる場合があります。この場合交換です。
劣化以外にも、駒が鋭敏で切れる、調弦で引っ張りすぎて切れる、自分の爪で切れる場合もあります。
駒が原因の場合は、該当場所を少しヤスリなどで丸めるか、購入店にお願いしましょう。


・「音色が変化」

主にに劣化が原因で「音が下がる」「響かなくなった」と感じるタイミングがあります。この場合交換が必要です。

 

・糸は変えても馴染むのに時間がかかる

糸は交換しても、馴染むのに時間がかかります。 演奏がある場合には余裕を持って交換しましょう。

5.三味線の撥・駒のメンテナンス

・撥のメンテナンス

撥先が丸くなりすぎたり、欠けたりしたらメンテナンスが必要です。
鼈甲は程度によってはつけたしが可能です。また、放置していると虫食いをする場合があります。ご注意ください。


三味線の撥(ばち)の故障「虫食い」

参考:鼈甲撥の虫食い

・駒のメンテナンス

基本的に割れたり、溝が深くなったら交換です。形状の変化による微調整などはメンテナンスで修繕できます。

三味線の駒(こま)の故障「駒が割れる」


6.三萃園の三味線のメンテナンス・維持修繕 費用

  

当店はメンテナンス中には三味線は無料で貸し出しています(ご来店の方限定)。

部位 項目 価格(円) 納期 備考
三味線 勘減り 33000~44000 3~4週間 状態次第
  糸巻き交換 6000~ 1~2週間 1本あたり 材質次第
  糸巻き修理 2000~6000 1~2週間 1本あたり 材質次第
  中子の外れ 4000 1週間  
  福林の外れ 3000~4000 1週間  
  胴割れ 22000 2~3週間  
  クリーニング 11000 60分~1週間 本体汚れとりと金具さびとり
  コーティング 22000~ 4週間  
  棹のヒビ、割れ 22000~ 4週間  
皮張り替え 細棹 両面 44000~ 2~4 週間   大きな胴は+5000円
  中棹 両面 44000~  大きな胴は+5000円
  太棹 両面 66000~  
  細棹 表のみ 33000~  大きな胴は+4000円 
  中棹 表のみ 33000~  大きな胴は+4000円
  太棹 表のみ 46000~  
  細棹 裏のみ 22000~  大きな胴は+4000円
  中棹 裏のみ 22000~  大きな胴は+4000円
  太棹 裏のみ 35000~  
細棹 セット 800~ 5分 1の糸、2の糸、3の糸のセット
  中棹 セット 800~ 5分
  太棹 セット 1000~ 5分
消耗、欠けの修理 3000~20000 20分~1週間 状態次第
フルメンテ フルメンテナンス 66000~ 4~6週間 使っていない三味線の再生

その他費用:当店で三味線を購入されていない方は相談料5,000円いただく場合があります(メンテナンス費用が5,000円を超える場合は不要です)。

お問い合わせ

方法1:フォーム

お問い合わせフォーム >

方法2:メール/FAX

メール:info_s@shamisen.ne.jp / FAX:0566-91-7535

件名(タイトル):「三味線メンテナンス相談」

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ご紹介 思い出深いメンテナンス 1 (中棹紅木)

ある時、珍しい依頼がありました

    

依頼者のお父様が演奏していた三味線を家の中で発見したとのこと。

    

お父様は数年前に亡くなっていました。

    

このため、10年以上メンテナンスされておらず、三味線は演奏できる状態ではありませんでした。

 

一ヶ月ほどかけて相談したところ、

手放すのではなく、修繕して三味線普及する活動に利用してほしいとのことでした。

 

当初、高級車が買えるくらいの値段だったと思われる良い三味線でしたので、

修繕はより慎重に行いました。


修繕が終わる頃、依頼者宅の仏壇の前でこの三味線を演奏させていただくことにしました。

 

そして納入の日、私は奏者とともに、依頼者宅を訪問させていただき、お父様の思い出の曲を演奏させていただきました。

現在は若手の奏者に時々貸し出され、再び活躍してます。

 

思い出深いメンテナンス2 (細棹紅木)

 

上述のご依頼にはもうひとつありました。

 

先代の方は中棹三味線2丁と細棹三味線をお持ちでした。

中棹で民謡や津軽三味線、細棹で小唄や端唄を演奏されたいたようです。

 

本当に熱心に練習されたいたようで、ところどころに大切に利用されていた証がありました。

 

三味線がどのように使われていたかは、専門家が見れば一瞬でわかります。

ぜひ、自分に合った三味線を大切に使ってほしいと考えています。

   

この三味線も若手の奏者の方に貸し出され、新たな活躍をしています。

 

事例:母の三味線で出会った自分の音色

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