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三味線の糸(弦) 


三味線の糸(弦)が振動する様子

三味線の振動をつくる糸(弦)。

目次


概要


三味線の種類、演奏ジャンル、流派で太さと材質が異なる。

「絹」 「テトロン」 「ナイロン」が主流。


三味線の糸の選び方


糸のサイズは目安です。

3本の糸(弦)の役割の違い


三味線には3本の糸(弦)が付いている

写真の左から太い順に弦が3本張ってあります。

 

「1の糸(1の弦)」:一番太い(低音)

「2の糸(2の弦)」:中間

「3の糸(3の弦)」:一番細い(高音)

 

もっとも太い弦が低音、順に弦が細くなるため音が高くなります。

 

一番太い弦は「サワリ」の役割もあります。

 

3本だけで複雑な音色と音楽を奏でることができます。

 

三味線の糸(弦)の太さ

弦を張る前の糸

「1の糸(写真右)」「2の糸(写真左)」「3の糸(写真中央)」

糸(弦)の種類


三味線の糸(弦)の種類

写真の左から順に「絹」「ナイロン」「テトロン」です(3の糸)。

 

一の糸は「絹」

二の糸は「絹」「テトロン」

三の糸は「絹」「ナイロン」「テトロン」

が基本的な選択肢です。

 

伝統的な糸はもちろん「絹」です。

伝統的な音色を求める方は絹をご利用ください。

 

「テトロン」とはポリエステル系の合成繊維です。

「ナイロン」とはポリアミド合成樹脂の種類です。

 

特徴ととしては(3の糸に関して)

「絹」:伝統的な音色、繊細な音色、余韻が綺麗 耐久性が弱い(3の糸のみ)

「テトロン」:ナイロンより若干硬い、音色はナイロンと比較して若干絹に近い

「ナイロン」:テトロンより柔らかい、耐久性が高い、音色は絹と比較して若干柔らかい

三味線の糸(弦)の選び方

 

参考 ジャンル別糸の選び方(◯ー△:◯糸のサイズ、△糸の位置(1は1の糸))

長唄:15−1,13−2,13−3 、地歌:14−1,14−2,14−3

小唄:17−1,15−2,13−3 、民謡:17−1、13(or 15)−2,13−3

常磐津:20−1、17−2,15−3 、義太夫:中口―1、中口―2、中口―3

津軽:25−1,15−2,13−3


糸のサイズは目安です。ご了承ください。

【糸の選び方】
一の糸は絹。二,三の糸は絹、テトロン、ナイロンを選びます。
・音色重視   :一、二、三すべて絹
・標準(1) :一、二ともに絹、三をテトロンかナイロン
・標準(2) :一を絹、二、三をテトロンかナイロン

津軽三味線のような激しい演奏方法は三の糸を絹にすると、すぐに糸が切れてしまいます。
テトロンの方が若干固く、ナイロンの方が若干やらかいです。
弾きやすさと音色で決めればよいです。

糸(弦)を変えるタイミングと性質


糸の変えるタイミングは、撥で弾く部分が摩れてくるか、

糸の音が小さくなってきたら替えるタイミングです。


プロの方は1〜3日に一回程度替えています。
それ以外の方は糸によりますが、1週間〜3ヶ月に一回が基本です。

演奏会の前、前日には糸は替えましょう。

 

糸は馴染むまでに若干時間がかかります。


糸のメーカは主に3社しかありません。いろいろ検討してみるのもいいかもしれません。

動画:糸の替え方、替える時期、しごき方


参考:糸と音色


録音のため限界ありますが、参考にしてください。

絹、テトロン、ナイロンの音色の違いを評価しました。

参考文献

後悔しない三味線選び

三味線の教本

三味線の音色の探求

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