三味線の歴史
(写真は大正時代の三味線)
三味線は400年の歴史があります。
発祥は諸説あるものの、基本設計がほとんど変化していないことは驚きです。
どのように変化、発展したかを簡単におさらいしましょう。
三味線は400年の歴史があります。
発祥は諸説あるものの、基本設計がほとんど変化していないことは驚きです。
どのように変化、発展したかを簡単におさらいしましょう。
諸説はあるものの、
三味線は、450年程前に琉球から大阪に伝わった三線(さんしん)を改良した楽器といれています。
その元は中国の三弦と言われています。
1597年秀吉の命でつくられた「淀」(今の形の三味線)ができ、石村近江が最初につくったとされます。
400年前から今まで、基本設計はほとんど変化していませんがモンゴル楽器ジョダルカや中国の三弦を見る限り、
ほとんど同じ造りに見えます。
「大陸の楽器をまねて日本の材料で製作し、
表現したい音楽に合わせアレンジした」楽器が三味線の発祥でしょう。
外国の良いものを取り入れ、自分なりにアレンジして素晴らしいものをつくる。
日本人の得意技かもしれません。
源流となるジャンルは「浄瑠璃」「地歌」。
江戸時代には「長唄」「義太夫節」「清元節」「常磐津節」「荻江節」「一中節」「新内節」「河東節」「都々逸」「端唄」など多数のジャンルが発生しました。
桃山時代
1560年頃「三味線の原型が伝来」
1580年頃「三味線が浄瑠璃の伴奏に」
江戸時代
1600年頃「地歌 三味線組歌」
1684年 「義太夫竹本座」創設
1717年 「河東節」
1730年 「長唄」確立
1747年 「常磐津」
1748年 「富本節」
1786年 「荻江節」
1814年 「清元節」
1830年頃「都々逸」
1850年頃「端唄」
1800年代中盤「民謡」に三味線が伴奏で利用される
(民謡自体は少なくとも古事記の時代(奈良時代)にはある)
明治時代
1895年 「うた沢」
1910年 「東明節」
1910年頃「小唄」
昭和時代
1933年 「大和楽」
1954年 「豊本節」
1960年代「津軽三味線」東京進出
参考:「三味線のジャンル詳細」
代表ジャンルの音色は以下から確認できます↓
三味線は450年の歴史の中で、多数のジャンルに利用されてきました。
ジャンルによっては表現したい音色が異なります。
このため、三味線自体もジャンルに合わせて改良されてきました。
三味線の太さで大まかに分類すると「細棹」「中棹」「太棹」に分けることができます。
また、太鼓の大きさや皮の種類や厚みがジャンルにより異なります。
さらに、師匠(流派)次第で表現したい音色は異なるため、三味線の種類は無数にあると言えます。
「三味線の棹」
「三味線の胴」
「三味線の皮」
「駒」「撥(バチ)」「弦」なども音色に関係する道具も演奏ジャンルに合わせ改良されてきました。
また、同じジャンルでも師匠や演奏者によって使用する道具が異なります。
一つの楽器の道具にこんなにも道具の種類があるのかと驚くばかりです。
「三味線の駒」
「三味線の撥」
「三味線の弦」
・図解 日本音楽史 東京堂出版 田中