卓越した演奏とは
名人は「音楽」と一体になった自分自身のことを あまりに強く意識していたために、
自分が演奏していることについては、意識していなかった。 (井筒俊彦)
「卓越した演奏とは」
一般的に楽器に求められることは文字通り「楽しむ」ことかもしれません。
楽しむために、わざわざ苦労をしてまで、楽器を習得し、表現をすることで
他者や世界と関係します。
楽器に親しむ入り口としてはそれで良いのでしょう。
三味線に心惹かれる人は、
単なる「楽しい」の先にある境地に興味がある方が多いと実感しています。
あえて単純化すると、「楽しい」の先の入り口は二つの状態で表現可能です。
・「自分が演奏しているとは思えない状態」
・「自分が背景になる状態」
これらは表現は異なりますが、根本では同じ状態から発生する現象です。
本質的に他者があなたの演奏で心をうたれる体験というのは、
弾き手としてのあなたが「それ」と一体になった状態ではないでしょうか。
「自分にこんなことができると思ってもみなかった」
このしびれる瞬間のサポートをできることは、本当にかけがえのないことです。
・上手な演奏と卓越した演奏の違い
・なぜ上手なのに感化されないのか
・自分の力を超えるもの
・卓越するための結論