どうしたら自分に合った三味線の選び方ができるのか?
「三味線を選ぶためにネットを検索していたら余計に混乱してきました」
多くの方に寄せられている感想です。
このページでは当方のレポート「後悔しない三味線選び」を参考に、なぜトラブルが起きるのか、失敗の原因と対策、三味線選びの大まかな知識をご紹介します。
三味線購入トラブル 3つのポイント
三味線購入のトラブル事例を3つにまとめました。
(1)氾濫するネット情報が多すぎて何を信じて良いのかわからない
おそらくこれは三味線に限らないと思います。
インターネットでは情報を発信することは誰でもできます。
このため実態が伴わない古い情報や根拠のない情報が拡散されている場合もあります。
三味線情報に関しては、プロや玄人はあまり情報を発信せず、中級者くらいの方が発信するの偏った情報が多いと感じています。
そのため、発信されている情報によって内容がバラバラで根拠不明瞭。これが「何を信じていいかわからない」という状況を招いています
(2)自分に合わない三味線を購入してしまった
(3)よくわからないまま焦って購入して結局三味線が続けられなかった
この(2)と(3)の原因は共通しています。
それは三味線や和楽器の世界の特殊な商習慣です。
(その商習慣を続けているのには"ある理由"がありますがそれはインターネットの一般公開には向いていません。
それを知りたい方は会員情報「後悔しない三味線選び」をご覧ください)
<和楽器の商習慣の例>
・試奏も試聴も説明もなく「これを使いなさい」とポンと渡された。自分に選択肢はほとんどないことに驚いた。
・自分の好きな音色の三味線ではなく、組織が指定した物を使用しているが、正直キツイ音が好きになれない。
・自分に合うサイズの三味線ではなく、演奏ジャンル一般的な三味線を購入したら、自分には大きすぎて演奏がつらい。このまま続けられる自信がない。
このような例はほんの一例にしかすぎません。
これをさらに難しくしているが「和楽器業界の衰退」です。
三味線人口はピーク時の1/10以下になったと想定されており、販売店や教室もんどんどん減少しているか高齢化しています。
和楽器に触れることができる場所は年々減少しており、あったとしてもインターネットを含めた最新技術に対応できているところは少数派で、実物に触れながら学ぶ機会がどんどん減少しています。
失敗の主な7つの原因
よくある三味線選びの失敗事例は以下の7つ集約することができます。
1:よくわからないのに勧められて購入してしまった
2:相場より大幅に高く購入してしまった
3:安いものに飛びついてしまい、結局高く付いた
4:やや強引だが、断りきれず購入してしまった
5:ネットなどで偽物を購入してしまった
6:ネットの情報を元に選んだが、正しくなかった
7:試奏も試聴もしないで購入してしまった
番外:何を信じていいかわからないので購入できない
このような状態は非常に残念なことだと考えています。
しかしこのような相談があとを絶えないのが実態です。
相談は大きく上記のように7つに集約されますが、3つに簡単にまとめると以下になります。
@三味線の知識がないのに購入した
Aよくわからないまま、勧められ購入した
Bよくわからないまま、ネットで購入した
つまり後悔の主な原因は「知識がないのに、三味線を購入した」ことです。
失敗しないための方法
後悔しないための方法を2つに単純化します。
@正しい三味線の知識を得る
A(三味線専門店に)相談する
@正しい三味線の知識を得る
三味線の知識としてお勧めできる本は数点有りますが、大抵は歴史か特定ジャンルの偏った情報の本です。
それらを読んでも「三味線選び」ができるようにはなりません。
むしろ、現代の最新の状況を踏まえると、不適切な情報も含まれています。
さらにネットの情報は何が正しいかよく分からないと相談されます。
数少ない三味線講師の方々も「三味線選び」は詳しくない方が多いです。
和楽器屋さんは多少現存していますが三味線専門店はほとんどありません。
さらに、和楽器屋さんは廃業が進んでいます。
あったとしても「工房が店舗で入りにくい」と相談されることがあります。
このように正しい知識を得るのに多数の方々が苦労をしています。
当方が多数の情報を掲載することになった背景はこのようなことがあります。
↓参考情報
A(三味線専門店に)相談する
三味線は400年の歴史があります。
三味線を学び選ぶにはかなりの労力が必要です。
できる限り「三味線専門店(もしくは一部の三味線専門家に近い和楽器屋さん)」に相談する事をお勧めします。
調べていただければ分かりますが、三味線は奥が深いため、個人なんとかしようとするには限界があります。
最低限の三味線選びの知識
@三味線の種類を選ぶ
少なくとも下記情報を踏まえた上で、三味線を選ぶことをお勧めします。
規則の厳しい特定流派、会派に弟子入りする人は、師匠と同じ種類の三味線を選ぶことが原則です。
それ以外の自由に選択できる人は、従来の定義に従う必要はありません。
特定演奏ジャンルを中心に演奏したい方は特定演奏ジャンルに向いた三味線を選択ください。
(例)長唄→細棹、地唄→中棹、民謡→中棹、津軽三味線→太棹
演奏ジャンルを決めず幅広く演奏したい方は応用がきく「中棹」がおすすめです。
まだどの演奏ジャンルが弾きたいかわからない場合は「中棹をレンタル」してみることをお勧めします。
体格に合わせて三味線のサイズ「棹と胴の大きさや短棹」を選択することも重要(試奏しないとわからない)。
(例)津軽三味線を弾いてみたくて試奏もせずに太棹三味線を購入。大きくて重い。疲れてしまう→挫折。
(例)年齢とともに正寸(全長約100cmの三味線)が辛くなる。短棹(全長約90〜95cm)に変えたら快適に演奏できる。
A三味線のグレードを選ぶ
三味線の価格は棹や胴などの木材のグレードで変わってきます。
棹材はプロ(三味線専門店と一部の和楽器屋)以外は見分けるのは困難です。
上級者や先生でも実際には棹材の選び方は難しいです。
また、三味線材も従来のように安定供給できるわけでもありません。偽物も出回っています。
自分に合った良い三味線に出会うためにも「三味線専門店」に相談しましょう。
B付属品を選ぶ
付属品は撥、駒、胴かけ、指すり(指かけ)、ケース、調弦器(調子笛、チューナー)、天神カバー、胴ゴム、クロス(艶ふきん)などがあります。
これらは三味線毎に異なりますので、三味線の種類や三味線演奏ジャンルに合わせて購入ください。
特に大切なのが撥と駒です。
これらは音色と演奏しやすさに大きな影響があるので慎重に選択することが必要です。
Bメンテナンスの知識
全ての楽器と同じく、三味線の演奏を続けるには定期的なメンテナンスが必要です。
三味線の主なメンテナンス部位は棹(かんべり、割れ、ヒビ)、皮、糸巻き、糸、撥、駒です。
メンテナンスの最大のポイントは今後「(特に質の高い)メンテナンスをできる人は極端に減少する」ということです。
(職人の高齢化と廃業が主な理由)
つまり、奏者と製作者のお互いの信頼関係がないと「三味線のメンテナンスは難しくなる」ことを意味しています。
ぜひ自分にあった良い関係が築ける販売店を見つけてください。
最後に:ネットで情報を調べるより
ぜひ本ページの内容を有効に活用して、自分に合った三味線をお選びください。
三味線に限らずどんなことでも同じですが、100時間ネットで検討するより、専門家に相談した方がはるかに早く解決します。
お気軽にご相談ください。「お問い合わせ」「オンライン相談」
また、インターネットが普及した時代でも、実際の三味線に触れ、音色を比較する体験に勝るものはありません。
ご希望の方は「ご来店」やを検討ください。
本ページの内容がお役に立つと幸いです。
レポート:後悔後悔しない三味線選び
本ページは以下一部を掲載していますが、さらに詳しく知りたい方は以下をご利用ください。
10年以上読まれ続けている実績があります。
【内容】
1.三味線を選ぶのは簡単ではない
・他の楽器では「ありえない」三味線の慣例
・三味線を選ぶ選択肢は2つしかない
2.三味線選びの7つのポイント
3.失敗の実例
偽物、ネット、先生、楽器店、安いにはどんな落とし穴が、選んだ後のトラブルも
4.適正な価格と適正な品質
価格調査表の最新版
5.選ぶための7つの基礎知識
巷やネットには広がらない事実
6.三味線のメンテナンス
7.三味線の音色
試奏や試聴、三味線を選ぶということは
よくある質問回答