三味線の価格・相場・値段について

三味線の価格や相場は演奏ジャンル、三味線の種類、製作者、グレード、年代、音色などにより様々です。

自分のニーズにあった楽器に出会うためにも、正しい知識を抑えておきましょう。

目次

約20年前の三味線の価格調査表

価格は(万円)

三味線の価格調査表(値段相場)素材と三味線の種類ごとの目安

上記は約15年前の三味線の市場価格調査表です。

この頃は、現在と比べて三味線の供給もある程度安定しており、「業界で統一された一般的な価格」が存在していました。

このため三味線の種類(細棹、中棹、太棹)、演奏ジャンル(長唄、小唄、端唄、地唄、民謡、津軽三味線…等)に合わせて、素材ごとに価格がおおよそ決まっていました。

「相場平均」は最低でもこのくらいしないと良いモノは提供できないだろうという価格です。

「最低価格」というのは、価格競争の中で、主にネットで販売する業者さんが素材の質を下げたり、薄利多売をしながら販売している価格です。
当時はネットが普及したての頃で 「最低価格」に飛びつき失敗した方の相談をよく受けました

例えば紅木三味線を買ったはずなのに実は質が低い紅木代替材(そもそも従来定義の「紅木」ではない)を購入していたという場合。
「今振り返ると相場より安かった」これは音色の違和感と耐久性の不足で後々に気づくことになります。

このような相場を知っているだけでもそのようの失敗は防げたかもしれません。

なお、中古三味線はこの相場の約1/2~2/3ほどでした(もちろん、希少な三味線は新品の価格より高い)。

最新の価格相場

現在の状況を箇条書きにします。

追記:年々じわじわと価格は上昇しています。

当面、これくらいシンプルに捉えていただければ大丈夫です。

参考:価格相場はギターと同じくらいかもしれません(ギターのように1~3万円程度のモノはありませんが)。
バイオリンと比べると半値以下(場合によっては一桁、二桁低い)。

なお、前記の価格表が通用している面もまだ多少ありますが、まもなく「業界で統一された一般的な価格」は無くなっていくでしょう。

なぜなら、従来の良い三味線材はほとんど供給されない可能性が高いからです。

良い材料の不足

三味線の材料(修復前の三味線)

一昔前の三味線の方が良い音色がした」多くの玄人の共通認識です。

現在、一昔前の良い材料を確保することは難しくなりました。

主な理由は過去の三味線ブームによる資源の多用ですが、今後も良い材料の不足は改善する見込みがなく、質を落とした代替材に徐々に置き換わるでしょう。

この状況の中で自分に合った良い材料で製作された三味線に出会えたら運が良いと思います。

どうしたら自分に合った良い三味線に出会えるかをお伝えする前に、いったん、三味線の価値、価格、付属品の価格は何で決まるのかをお伝えします。

三味線の価値

三味線の木材ごとの価値

三味線の価値は主に以下の5つで決まります。

参考

三味線の種類と価格

三味線は種類によって大きさが違います。

三味線の種類ごとに重量を計測すると、

(紅木三味線の一例)

このため、同じ質の材料を使うなら、一般的に材料を多く使う太棹が高く、それよりは材料を使わない細棹、中棹の方が価格は低くなります。

また、三味線の木材の種類は

ことを知っておいていただければ大丈夫です。

参考

付属品・小物と価格

価格が分かりにくい以下の3つを記載します。

上記以外の付属品(弦)などはアマゾン等で検索いただけると相場が分かります。

どんな価格帯の三味線が選ばれているのか

一昔前までは初心者はこれくらい、ベテランはこれくらい、先生はこれくらいという相場がありましたが、現在は自由に選んでいる人の方が増えました。
(一部の規則が厳しい流派・会派所属の方は自由に選べません)

三味線を始める年齢(30~70才くらいが多い)にもよりますが、初心者~経験3年程度の方は以下を選ぶ場合が多いです(人により異なります)。

先生や演奏家はもちろん、経験約5年目以降や先生や演奏家を目指す方は必然的に前記より良い三味線を選ぶ方が多いが、一般論で語るのは難しい。

なお、音が細かく聞こえる方、深く聞こえる方、快/不快に敏感な方、身体で音を捉える感覚がある方、敏感な方など音感覚に優れている方、深く長く学びたい方、表現したい何かをお持ちの方…等々は初心者の頃から良い三味線を選択する傾向にあります。

以上を踏まえれば相場を理解した上で選択ができるようになると考えております。

自分に合った楽器

ここまでお読みいただければ三味線の価格や相場はおおよそ把握できたと思います。

では、単に相場どおりの楽器を手に入れたら満足のゆく演奏人生が歩めるのか?

もちろん高い確率で「否」です。

三味線は芸術であり、伝統芸能でもあります。

ある程度の経済性やコスパももちろん大切ですが、
自分がなぜ三味線に興味を持ったのか その必然性とつながった楽器と「出会う」ことが最も大切です。

そのためにどうしたら良いのかは別の形でお伝えしたいと考えております。

参考:試奏をして楽器を選ぶということ(動画)

00:00 三味線を学ぶ環境(ポイント1):自分に合う三味線が選べない
00:20 自分に合ったモノを選ぶ場がない(ポイント2):多くの方が自分が弾くべき三味線に出会えていない
00:35 奏者の感想「響きすぎてむせました」「全体が響きわたる感じ」
01:03 音は耳だけて聴いているのではない(ポイント3):「音の浸透性:身体にどう入ってくるかも同じくらい重要」
01:18 自分に合った三味線を選んでいただくプロセス(ポイント4) 試奏:三味線の聴き方の学び方
01:35 三味線選びをした奏者の感想「多数を試奏しながら調弦をしているときにこれがいいと感じた」
02:07 三味線の芸術品としての秘密
02:44 三味線の奥の深さ

上記動画のロングバージョンの動画は「こちら