三味線を始めようとする方へ
三味線を演奏する父とそれに合わせて唄う母。
三味線の調子笛で遊ぶ私。
ふとした瞬間、父の音色と母の唄声を思い出し、不思議な安心感に包まれます。
三味線と縁
三味線を始めるきっかけには人それぞれにきっかけがあるようです。
これをお読みのあなたはどんな「ご縁」が合ったのでしょうか。
初めてみて後からわかる場合もあります。
ぜひ、三味線との縁を大切にしてほしいと考えております。
「コラム:三味線と縁」
三味線を始めるハードル
現代では三味線を初め、習得し、継続するにはいろいろとハードルがあるようです。
三味線を始めたいなと思っている方が、
三味線を始めようとして「つまずく3つのポイント」があります。
始める前につまずく3つのポイント
(1)何が正しいのかわからない → 質のよくない情報が氾濫している
「三味線を始めようと思ってインターネットで情報を収集しました。情報が氾濫しすぎていて、何を信じていいか分からなくなりました」
「まずは三味線で日本っぽい曲を弾いてみたいので、いろいろ動画やCD等で探してみましたが、ジャンルが多すぎてどうしていいか分からなくなりました」
このため、三味線をどのように始めたらいいのか分かりませんという相談をよくいただきます。
(2)近所に三味線を購入できる場所がない
和楽器屋さんは全国的にどんどん廃業が進んでいます。
県によっては一軒あるかどうかという地域もあるのではないでしょうか。
多くの方は近隣に適当な和楽器屋さんがないと思います。
あったとしても、ちゃんと更新しているホームページがある店は稀で、
そもそも営業しているのかは不明です。
また、「初めてだと入りにくい」とおっしゃる方が多いです。
(3)近所に自分に合った三味線教室がない
「近所に自分に合ったスタイルで三味線を学べる場所がありません」というお悩みよく頂きます。
三味線教室を運営できている個人が本当に少なくなりました。
あったとしても「入会しやすそうな教室はあまりない」とよく相談があります。
現代には合わない組織の束縛やしきたりを避ける方もいらっしゃいます。
教室はしっかりと選ばないと人間関係や組織のトラブルに巻き込まれかねません。
気軽に学べる場と言えば、都会のカルチャースクールくらいかもしれません。
その教室も日時が限られていたり、あるジャンル特定であったり、
グループレッスンだったりと、いろいろ制約があります。
「気軽に始めたいのに体育会系の雰囲気についていけませんでした」と相談を受けることもあります。
なかなか始められない
せっかく始めようと思った三味線です。なかなか始められません。
ずるずると時間が過ぎていきます。
このような原因で始める前から挫折するのは本当に残念でなりません。
始めようとして数ヶ月・数年を経過しているのはあなただけではありません。
「10年前から三味線を始めようと悩んでいました」と相談があることもあります。
三味線を始める3つのポイント
(1)正しい情報だけを得る
いまネットなどに氾濫している情報は三味線中級者の方が発する違和感のある情報もあります。
まずは「正しい情報」だけを収集しましょう。
ここを間違えると取り返しがつかないことになります。
挫折の原因は正しくない情報を得てしまうことです。
例えば「三味線は簡単」「誰でもすぐに弾ける」と宣伝されていることがあります。
これを信じると大半は場合は挫折します。
(2)自分の好みを知る
正しい情報を得たら、自分の好みを知りましょう。
まずは三味線を始めるきっかけになった演奏ジャンルから調べましょう。
(例)地唄、長唄、端唄、小唄、民謡、津軽三味線、現代曲アレンジなど
自分が興味を持つ演奏ジャンルも以外にもその他ジャンルも一応検討してみましょう。
完璧に自分の好みを探る必要はありません。
それを手がかりに初めてみると、いずれ、あなたの落ち着くべきところに落ち着きます。
10種類のジャンルが把握できます↓
00:00 内容の説明
00:11民謡「会津磐梯山」 中棹三味線白紅木
00:26 小唄「祇園小唄」 細棹三味線紅木
00:47 津軽民謡「津軽タント節」 太棹三味線紅木
01:01 「竹田子守唄」細棹(太め)三味線紅木
01:20 端唄「春雨」 昭和初期(戦前)の細棹三味線 紅木
01:44 長唄「勧進帳」 昭和初期(戦前)の細棹三味線
01:58 都々逸「神戸節」 大正時代の太棹三味線 紫檀
02:18 「越天楽」 大正時代の太棹三味線
02:36 古民謡「こきりこ節」 明治時代の細棹三味線
02:52 「黒田節」 江戸時代の細棹三味線
(3)行動してみる
あわてる必要はありません。あせりは禁物です。
少しだけでよいので行動してみてください。
「三味線を借りてみる」「体験会に行ってみる」「三味線店に行ってみる」「相談してみる」・・・
一気にやろうとすると、反動で行動できなくなってしまいます。
少しでよいので行動を始めると、徐々に自分にとって良い始め方が見えてきます。
ポイントは「自分にやさしく、少しづつ」です。
最後に
「三味線を始める時に教えて欲しかった」
三萃園にお越し頂き、田中と会話するとベテランの奏者の方によくいただく言葉です。
三味線を切り口に稽古を進めると、世界の見え方や感じ方が開き、
しびれるような喜びが得られる瞬間が幾度もあります。
しかし、三味線の始め方を失敗し、三味線を続けられなくなった多くの話を聴くと、本当に心が痛みます。
ご縁のあった方には、「正しい情報」を得ていただき、
自分の道を歩んでいたきたいと考えています。
正しい情報を得たい方
当店にご縁を感じていただいた方は以下をご利用ください。
三味線の体験
100時間三味線を勉強するより、一度の体験の方がはるかに重要です。
- (2)お試しセット 〜レンタル〜
- 100時間ネットをみて悩むより1回の体験の方が大切です。
初心者相談
三味線は400年の歴史があるので、自分で勉強するには限界があります。
ご縁を感じていただけた方は相談ください。
<相談方法>:お気軽にご利用ください
下記をご記入の上、タイトルに「初心者相談」と添えてinfo_s@shamisen.ne.jpへメールしてください。
■ご氏名
■お住まいの都道府県
■ご希望のジャンル
■質問内容
■(三味線に興味をもたれたきっかけ・エピソード)
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※ご連絡いただいた際には、必ずメールにて返信させていただいておりますが、ご自身のメール設定次第では、送信はできていても受信ができていないケースが稀にあります。
3 日経過しても連絡がない場合は、お手数ですが再度ご連絡ください。
初心者向けのコラム
(1)今と昔の違い
最近三味線を始める方の様子が変わってきました。
「いろいろな伝統ジャンルの三味線を習ってみたい」
「組織の束縛なく三味線を習いたい」
「元気な曲もいいけど、最近はしっとりした音色の優しい三味線曲が好き」
「ポップな三味線もいいけど、伝統の三味線が好きになってきた」
演奏人口が激減した「細棹三味線や中棹三味線の音色が好き」という方も増えてきました。
以前の常識では、
「三味線を習うには、ある特定の伝統ジャンルに絞り、
自分に合った師匠を捜し、或る特定の会や流派で長年お世話になる」
という習得スタイルが一般的でした。
ここ10年ほどはポップ三味線奏者さんの影響から、
ポップな三味線の曲を三味線を弾いてみたいという要望も増えていました。
しかし三味線を教えられる方がどんどん減っています。
様々なジャンルの三味線を教えられる方は日本にもほとんどいません。
もちろん、習いたいジャンルが明確で、近くに素敵な教室や師匠を見つけ、三味線を習う方はそれでいいと思います。
三味線も先生や師匠さんが準備してくれるかもしれません。
最後に1つだけ大切なポイントがあります。
三味線は初めてみると
「元気な曲もいいけど、最近はしっとりした音色の優しい三味線曲が好き」
「ポップな三味線もいいけど、伝統の三味線が好きになってきた」
などと嗜好が変化する方が多いことを知っておいてください。
(2)三味線を始めるきっかけ
三味線を始めるきっかけには人それぞれにきっかけがあるようです。
これをお読みのあなたはどんなご縁が合ったのでしょうか。
現代の世には西洋楽器やポップ音楽に触れる機会が多いのに、
邦楽である三味線に興味を持たれるのはそれぞれ独特な縁があるようです。
ある方は「他者のために」三味線を始めることになります。
・三味線の好きだったおばあちゃんに弾いてあげたい。
・高齢の両親に三味線を披露してあげたい。
・仲間の祝いの席で三味線を披露したい。
・介護施設の入居者の方のために披露したい。
ある方は「三味線演奏を聴いて」に心惹かれます。
ある方は「原体験」や「縁」があるため、ある日突然、もしくは徐々に始めたくなるようです。
・筆者の場合では三味線を弾いていた父とそれに合わせて唄を歌う母でした。
・ある弊店スタッフは祖母が三味線と唄で子守唄がわりにしてくれていたそうです。
・ある方はいつも、父が聴く三味線のテープをそばで何となく聴いていました。
・あるお子さんは、周りがポップ音楽や西洋楽器ばかりなのになぜか三味線の音色が一番好きです。
後から知りましたが、祖母が芸子さんだったようです。
ある方は、ご病気の祖母のために三味線を習おうとしたそうです。
祖母が民謡、小唄、端唄が大好きでした。
しかし、近所に和楽器屋さんはもちろん、適当な三味線教室がありません。
インターネットでいろいろ調べましたが、逆にどうしていいか分からなくなります。
そして県外にある良い三味線教室を見つけ練習を開始しました。通うのに車で片道2時間近くかかります。
三味線を始めようと思って実際に始められたのは3ヶ月経過していたそうです。
三味線を始めた頃、残念なことに祖母は他界されました。願いはかないませんでした。
私はそんな悲しいエピソードを少しでも減らしたいと考えています。
(3)後悔しないための最低限の情報
できる限り以下の3点を押さえておきましょう。
@演奏の三味線のジャンルを決める
三味線は演奏ジャンルごとに三味線が異なります。
漠然と三味線を選ぶと後で買い替えることになる場合があります。
まずはどんなジャンルを演奏したいか明確にしましょう。
近所の演奏会やYoutubeなどで探すことができます。
A−1先生を探す方:
体験レッスンを開催しているところが多いので、いろいろ検討してみましょう。
特に会派や流派に所属したい方は、じっくり検討することをお勧めします。
一度特定の会や流派に所属すると、他に変わりたくても、変更しにくいためです。
A−2独学の方 :
ギターは独学で学んでプロになっている方もいるようです。
知り合いのギターを学んでいる人はだいたい独学かもしれません。
三味線もギターなどの弦楽器と同様に独学で学べると思って三味線を初めてみますが、
思ったようには上達できない方が大半なようです。
また、三味線はポップミュージックや西洋音楽ではありません。
メロディー、和音、機械リズムをを中心とした音楽構成ではありません。
日本の楽器は根本的に音楽の成り立ちが異なるのです。
このため、少しだけ西洋リズムでメロディーを弾けるようになった程度で挫折する方も
多いようです((例)「さくらさくら」が弾けるようになって三味線人生が終わる)。
最初だけでも基礎を先生に教わることをお勧めします。
近所に適当な先生がいないという場合:
簡単な三味線教本やDVDで独学を習得できた方は私はお会いできたことがありません。
この点はご注意ください。
B三味線を選ぶ
三味線を選ぶには2つの選択肢があります。
・レンタル
先生が貸してくれる、三味線屋に自分で借りる が選択肢だと考えています。
・購入する
先生が手配してくれる、三味線屋さんに買いに行く、ネット三味線屋で購入する。
新品三味線、中古三味線、ネットオークション等の選択肢があります。
三味線のジャンルが定まらない方(細棹、中棹、太棹を選べない場合)は、
一旦中棹をお勧めします。
中棹であれば、全ジャンルをある程度対応できます。
三味線に触れているうちに自分の演奏ジャンルが絞れてくるかもしれません。
初心者おすすめ
たくさん情報を記載しましたが、ネットでお勉強することに時間を使うくらいなら、以下3点がおすすめです。
100時間三味線を勉強するより、一度の体験の方がはるかに重要です。
- (2)お試しセット 〜レンタル〜
- 100時間ネットをみて悩むより1回の体験の方が大切です。