HOME教材・稽古 > 三味線の間違った知識や迷信

迷信について


現代はインターネットが発達した弊害として「間違った知識」や「迷信」が拡散しています。

それら「間違った知識」や「迷信」を基に判断して失敗する方、苦労する方が後を絶えません。

当店は長年、奏者の方の相談を受けてきました。

「間違った知識」や「迷信」に惑わされてきたことを聞くと、本当に残念でなりません。

 

実は先生、プロ、上級者も含めてほとんどの奏者の方が「間違った知識」や「迷信」に翻弄されています。


このため、先達に相談しても「間違った知識」「迷信」を習得するという本末転倒な事態となっています。

当店にご縁があった方には是非正しい知識を得て欲しいと考え、本ページを作成しました。

典型的な迷信1 ビニールで保管


・ビニールで三味線の胴を保管するように言われましたが違和感があります。皮が破れやすい気がします。

皮が破れる原因

(ビニールに保管し皮が破れたケース)

回答:
湿気がこもりやすくなり、皮が破れやすくなる原因です。ビニールには保管しないでください。

典型的な迷信2 皮について


・皮が破れやすいのは当たり前?


ある方のお悩み 

「皮が破れやすくて困っています。張った直後がピークですぐに音が下がります。
 また、音が遠くまで響かないのでマイクが必要です。
 聞いてくれる方にも実はあまり評判が良くないことが気になります(うるさい、耳が痛いと言われる)。
 そもそも、私自身が三味線を演奏していて心地よくありません。
 なぜあんなにキンキン(他ピンピン、カンカン)しているのでしょうか。
 パチンコ店にいるような騒々しさに感じます。

 三味線の音色には皮が大切だとききました。
 その音色をつくるためには三味線は皮の限界点「やぶれる寸前」まで張る工法が常識だと聞きました。
 本当にそれがすべてなのですか?」


回答:
かんばり(乾張り)」が原因です。

ご自身で希望してその皮の張りをしてもらっているなら問題ありませんが、おそらく知らずに使っていると思います。

自分なりに自分の好きな音色の三味線を楽しみたい方には不要な場合が多いのも事実です。

色々試奏してそれが好みなら問題ありませんが、実態としてはそのような方はほとんどいません。

多くの方は自分の好きな音色の三味線を選んだわけではありません。
慣習に従い、そんなものかと受け入れているようです。

このような疑問を持つ方は感受性が鋭い方に多いようです。

典型的な迷信3 手首の痛み


・手首が痛いのは当たり前?


三味線と手首

回答

ある教室は生徒さんのほとんどが、手首、肩、腰を痛めながら稽古をしています。

あるプロの講師の教室では、生徒さん全員が稽古で体を痛めたことがありません。

我慢を続けないでください。日本古来の「正しい動作」を身につければ痛みは徐々に軽減します。

迷信 項目のみ

 以下によくある相談内容と当店の結論、また項目のみを掲載します。

(1)三味線の音色
・最近の三味線はうるさくて聞いて入られません。(細棹、中棹、太棹の全て)

回答:「商業化が原因です。ほとんどの方は自分に合った音色を選択していません」  
  
・「象牙の糸巻き」は音色が良いのですか

回答:「音色に関しては迷信です。」

・音色改善グッズについて

回答:「原則、迷信です。」

・天神から音が出るって言われましたが

回答:「直喩です。音色に関しては迷信です」

・中古品の方が音色が良いように感じます

回答:「良い音色はどの楽器でもヴィンテージ(成熟した中古楽器)です」

(2)三味線のメンテナンス
・三味線をビニール袋に入れると皮が長持ちする

回答:「間違った知識です。皮が破れやすくなります」

・皮が破れやすいのですがどうにかなりませんか

回答:「必要も無い方に破れやすい工法を採用しているのは本当に残念な因習です」


(3)棹や胴について
・綾杉は音色がよくなると言われました。

回答:「綾杉彫り自体には根拠がありません。音色が良いとすると別の理由です」

・三味線の棹は消耗品だと言われています。

回答:「安い三味線((例)花梨代替材、紅木代替材)を購入すると消耗しやすいです。
      質の良い三味線は毎日練習してもほとんど消耗しません」


その他項目
・独学について
・新品三味線と中古三味線
・音色について
・代替材が明記されず販売されている
・日本製
・天然皮がなくなる?
・合成皮は音色がいい?
・受注生産の本当の意味
・安物の金細の意味
・心に響く
・いきなり高額な三味線
・ネットの情報は
・試奏しないの?
 ほか

さらに詳しく知りたい方


更なる情報のインターネットでの掲載を終了しました。ご利用ありがとうございました。

正しい情報を知りたい方は、ご来店いただくか、ご相談ください。

関連情報


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参考文献

三味線の教本

三味線の音色の探求